まだ明け方はずいぶん冷える。クリーニングに出してしまうつもりでいたウインドブレーカーを引っ張り出し、それまで通勤に着ていた薄手のパーカーと替える。朝食はシャケと納豆、シラス。二人とも週末に夜型になってしまうようで、月曜の朝は特にエンジンのかかりが遅い。和子など夜はいつまでも元気で手こずらせるのに、朝は朝で「まだ眠い~」と手がかかるので二重に始末が悪い。どうしたら早寝早起き体質に変えられるのだろうか。
 
面談週間が終わってもまだやり残している生徒が半分近くいるので、相変わらず休み時間も忙しい。真剣な表情で進路について話しアドバイスを受け入れる生徒もいれば、明らかに面倒がって形式的に終わらせようとする生徒もいて、後者が決して普段からだらしのない生徒というわけでなくむしろ規範意識の高い生徒に見られるのは、もちろん俺が担任として頼りないからということもあろうが、1対1の正面からのコミュニケーションに慣れていない精神的なひ弱さを表しているようにも思う。
 
7限の総合・清掃のあとで様々な残務処理をしていたら、あっという間に18時を廻ってしまう。部活は陸トレの指示だけはしておいたが、見に行く暇もなく終わっている。急いで帰り、祈をあやしながらA子の用意する夕食を待つ。ワンタンスープ・蕨のベーコン炒め・カボチャ煮つけ。子供たちは朝の弁当の残りのタラコでご飯を食べている。まあ蕨や蕗(お袋が煮た)の旨さはまだ分からないだろう。
 
和子は眠くなるとぐずりがひどくなり、何でもかんでも地団太を踏んで嫌がる。普段からこだわりが強く、自分の思ったやり方でないと強い抵抗を示すので手がかかる。A子は「自閉症の傾向があるんじゃ?」と心配するが、これだけ豊かな意思疎通ができていればそれはないだろう。しかし手順や方法にこだわりすぎるのは、何らかの学習障害となってくる可能性もあろう。あまり叱らずこちらが大らかな態度を示せば、彼女も伸び伸びと育ってくれると信じたいのだが。