今日はA子も俺も弁当を作らなくてよい日、比較的余裕を持って朝の準備。納豆とシラスおろし、味噌汁、子供たちに目玉焼き。俺がちょうどよい感じの黄身の柔らかさに仕上げるのに、唯も和子もA子が作った時のような「ピンクのたまごがいい」と言ってがっかりさせる。ピンクとはつまりフライパンに蓋をして目玉焼きの黄身を固めてしまう焼き方なのだが、これなら火にかけて放っておけばできるわけで、俺がレンジの前につきっきりで火から下ろすベストのタイミングを見計らっている苦労が無駄なようだ。

学校に行くと同じ世界史のN氏が今日明日と忌引きで休まれると聞く。急いで代講の教員を割り振り、課題を用意せねば。今日は普通の自習監督の対応でいいが、明日は公開授業で多数の中学生や保護者が参観に訪れるので、ただ自習をさせておくわけにはいかないという。考えた末、同じ教務で世界史を担当している俺と課長のA先生で代理授業をすることに。おかげで今日一日はその準備でてんてこ舞い、明日は1限から部活指導の6限までびっちりコマが埋まることになってしまった。まあ緊急事態だし、困った時はお互い様だ。

午前中にフル回転で今日明日の対応を済ませ、午後から年休。A子が幼稚園でバザーをやっているため、久々に俺が唯をピアノレッスンに連れて行くのだ。駐車場で着替えさせ、車に乗せてI市まで行く途中に寝入ってしまった唯を、ピアノ先生宅のガレージについてそのまま時間まで寝かせる。A子から聞いた話では、昼寝をさせていかないと集中力が途切れていい加減なやり取りになってしまうと聞いていたから。しかしほんの15分ほど寝ただけだが、今日の唯はとても優等生に見えた。初めてピアノを触るレッスンに移行したためもあってか、緊張と誇らしさが窺える。M先生にもいっぱい褒めてもらえて大満足の様子だった。

帰って夕食はサンマ塩焼き。お酒が欲しいところだが、この二日ほど続けたので我慢しておこう。明日の出勤のことをA子に話すと、初めて聞いたようにびっくりされる。俺がこんな態度をとろうものなら「あれほど念押ししといたのに…」と膨れること必定なくせに、彼女は「やっぱりカレンダーに書いといてくれなくちゃね」と、あくまで俺の不手際とするから腹立つじゃないか。いつもはここで黙って受け入れてしまう俺だが、今日は恐る恐る反撃を試みる。「俺はA子に言われたスケジュールをノートに書いているんだから、カレンダーには君が書いたらどうかな」…するとA子は間髪を入れずにっこり笑って、しかし強い口調で、「あらみんなのカレンダーだもの、お互いが書かなくちゃ」だと。こうして今日も言い負かされてしまうのだった。何だかワガツマ日記みたいになってしまった。