二人が熱を出して、昨夜はA子ろくろく眠れなかったのだろう。そのくせ子供たちは妙に元気で、早々と起き出してくる。思うに唯は昨日の内に「幼稚園休もうね」と言われていたので、嬉しくなって早く目覚めたのではないだろうか。和子は分からん、夜通し咳き込んでいて眠りが浅いはずなのに。尤も今飲んでいる薬は眠気を誘うようで、日中たっぷり昼寝をしていたからかもしれない。納豆と卵豆腐、残り物のポテトで朝食。子供たちに食べさせている間に何とかA子起床。仕事を休んで手伝ってやりたいところだが、今日は終業式でこちらも仕事が目白押しだ。

クラスのほうは幸い全員出席で、山とある配布物を滞りなく配ることが出来た。式の最後に課長代理で教務課諸連絡。大掃除の後LHRで通知長配布、夏休みの諸注意。「望まない妊娠などという悲劇を引き起こさないように」等と、いつになく突っ込んだ警告ができるのも、それだけクラス生徒との間に親近感が湧いているからか。年度当初はどうなることかと思ったが、素直で反応の良い子達だ。昼過ぎはしばらく部活指導。昨日I先生からもらった5mフラッグを早速プールに張る。

15時から17時過ぎまで三者面談。皆時間通りか早めに来てくれるのに、最後の親子だけが10分以上の遅刻。A子はPWへ出勤しているし俺も一刻も早く帰りたいのに・・・と内心じれながら、しかし表面上は親切に面談・アドバイスをこなす。これまでの俺だったら遅刻を親の前であえて生徒に叱責していたところだ。しかしそうやって優しく接していたら、初めのうちは恐らく遅刻に対する引け目から無愛想な態度を取っていた母親が、面談が終わる頃になってかなり腰が低くなり「どうもすいません、時間にも遅れてしまって」と丁寧に詫びてくれた。北風と太陽じゃないが、時に引いて接する事が相手の態度を変えるものだと実感。

1学期反省会の参加を断って急いで帰り、お袋が作ってくれた煮物と牛肉キャベツ炒めで夕食。子供たちは熱のせいかあまり食べない。唯はヘルパンギーナとのことで、喉が痛いのか大好きなジュースもろくに飲めない有様。和子は便がまだゆるゆるだ。でも日中汗になったことだろうし、迷ったが風呂に入れることにする。体は洗わず浸かるだけ。しかし帰ってきたA子はそれを聞いて眉をひそめる。和子の咳もなかなか治まらないし、自重した方がよかったかな。A子の俺への心持ちきつい態度を敏感に察して、俺のいないところで唯が「かあか、とうととケンカしないでね」と諌めてくれたらしい。心強い娘だ。