昨日のフォンデュの残りチーズをどうしようと考え、餅を焼いてつけたらと思いつく。冷蔵庫に買い置きのままで消費期限を過ぎているシシャモを焼き、スライス胡瓜とともにマヨネーズをあしらう。一人朝食を済ませ部活に向かおうとするとA子が起きてきて、和子の熱が高く今日の実家泊まりは断念しようと思うと告げられる。がっかり、久しぶりに羽を伸ばせる週末になると思ったのに。

朝のうちは雨が心配された天候も、練習中は日が注してきてベストコンディションとなる。きついインターバルメニューを中心に8千弱。最後に25mダッシュを繰り返させてストローク回数をチェック、Ifはロングストロークで11回、ピッチ泳法で13回が最もタイムを伸ばせる回数だと目星をつける。それにしてもここ数年で一番水質の良いプールを維持できているというのに、学校プールで練習する部員が一人だけとは勿体無いことだ。

帰るとやはりA子が実家泊を断念すると切り出し、さらに「唯が温泉(実家近くにあるスーパー銭湯)に行くのを楽しみにしていたので、とうとと唯だけで行って泊まってくれない?」と、がっかりに追い討ちをかけるような提案をされる。瞬時に頭に浮かんだのは、スラムダンクの安西先生が桜木に「君がリバウンドを取れば失点を防ぎ、味方の速攻を呼んで得点につながる。つまり-2点が+2点になり、計4点の働きになるんだ」と説明するシーン。俺にとっては解放の夜の+100点が、一人子守を任される-100点の夜に暗転してしまうということだ。確か先週もそれに近い提案をされなかったっけ・・・と返事を出来ないでいると、しばらく待っていたA子が「もういい!」と怒り出し、唯を別室に連れてなにやら説得を始めた。

その後新しい依頼がないので、昼のうどんを作って供しながらこちらも黙っていると、レッスンに向かう前になって「可哀想なので唯を連れて行き、この子だけで泊まらせることにする。私は18時にレッスンを終えて帰ってくるので、それまで和子をお願いね」と、これまた一方的に伝えられる。「唯だけで泊まらせるなら、親がついていないというのも無責任だから俺が行くよ」と言うと、「いいの、もう唯を説得したから」とまるで取り合わない。普段、唯にカッパを持たせようかとか、体操服を半袖にしようか長袖にしようかとか、どうでもいい事柄をくどくど聞いてくるのに対して、どうして大事なことを勝手に決めて俺の意向を聞こうとしないのか。

結局和子の子守を押し付けられ、夕食の準備もしてA子の帰りを待つ。思い描いていた週末とはえらい違いだ。お隣からもらった茄子がたくさんあるので、大蒜・ベーコン・舞茸と一緒に炒めて麻婆茄子を作る。帰ってきた二人に好評で、特に和子がたくさん食べてくれて満足。それにしても、唯は向こうでちゃんと過ごしているだろうか。従姉妹のYちゃんも一緒に泊まっているというからまず大丈夫だとは思うが、時々おねしょをすることもあるから心配だ。