結局昨夜はうつらうつら程度で過ぎてしまった。おまけに昨夜唯は相当早く寝付いたのだろう、俺の目覚ましが5時15分に鳴るのを待ち構えていたかのように飛んできて、「とうと、朝だよ! 起きて!」と元気いっぱいにのしかかってくる。ずいぶん前から目覚めてしまい、でも廻りは真っ暗だしかあかも寝ているし、騒いじゃいけないんだろうなと我慢していたのだろう。喜色満面にして大騒ぎだ。やれやれ、朦朧とする頭で適当に付き合い、洗濯・朝食用意。ボローニャソーセージと小松菜の醤油炒め、蜆のインスタントスープ。近所の方からおすそ分けしてもらったプラムが旨い。

学校は午後から出張のため何かと忙しい。幸い、テスト監督表にミスはなかったようだ。空き時間にプールの逆洗をすませたり、教務日誌を書いたり、やり残しのないように気をつける。カップ麺と調理パンで慌しく昼食を済ませ、部員三人を乗せて出発。彼女たちも時間がなかったのか、車中で弁当を食べている。そんなに急がせなくてもよかったかな…。高速に入るとラジオの入りが悪くなり、おろし立ての新CD「昇太の古典」を聞いていく。面白いと思うんだけどなあ、部員たちはほとんど反応を見せない。それでもしんとして聞いてはいるようだ。

大会会場について、今日は彼女たちだけで勝手に泳がせておこうと車のシートを倒して寝る体制に入ったら、直後にH高のMさんが生徒を乗せてすぐ横に到着し、仕方なく一緒に会場入りする羽目に。とにかく昨夜ろくに寝ていないので眠くて仕方なく、高速の運転もかなり気を張ってきたのだ。それでも旧知の顧問たちが続々顔を見せると、知らん顔をしてばかりもいられない。S嬢の練習が終わるまで、何とか時間をやり過ごす。

宿はいつものT旅館。県大会で多くの水泳部がこの市内に宿泊しているはずなのに、ここはいつ来てもわが校だけだ。後は定宿にしていると思しきおっちゃんたち。とにかく安さで選んでいるため、設備が古くいまどきの高校生は敬遠してしまうのかもしれない。うちの部員たちは文句も言わずついて来ているが、内心ではどのように思っているやら。でもここのご主人はとても思いやりがあって、いろいろと気を遣ってくれるのがありがたく、俺は気に入っているのだ。さて、まだ夜は長いが、痛風発作が治まってまだ日もないので飲みに出ることはできない。職員室から借りてきた様々な文庫本を読んで過ごすとしようか…。