朝から雨、どうにも気温が上がらない。これでは今日もプールの水温は20度以下確実だ。大会を控え、練習をどうしようか悩む。朝食は昨日の残り物などで済ませる。弁当はどうしようか・・・と思っていたら、A子が昨日の煮魚を詰めて作ってくれた。起き出した唯、相変わらず着替えがのろい。まるでこちらの忍耐力を試しているかのようだ。もう俺は視界に入れないようにしている。今朝はたまらずA子が手早い着替えを促していた。

我がクラスの世界史A授業、相変わらず大半が「退屈だなあ」という顔をして耐えて授業を受けているのが分かる。何とか興味を引き出そうと毎回努力しているのだが、力が入るほど上滑りになる感じだ。最前列の野球部男子が突然隣と顔を見合わせてクスクス笑い出す。こうなるともうこちらのテンションも切れてしまう。「何がおかしい?」「あ、いえ、何でもないっす」「何でもないじゃない、言ってみろ!」と、自分の余裕のなさをさらけ出す羽目になってしまい、ますます教室内は静まりかえる。結局、眠気に耐えかねて思わず顔をガクリと下げてしまったのを隣と笑いあっていただけなのだ。どうしてそんな些細な事をスルーできないのか。茶化したり同情したりするのもいい、相手はまるで悪気はないのだから。本当に自分の授業に自信が持てていないのだと、我が事ながら改めて再認識する。まるで初任者と変わらないのが情けない。

結局部活は今日も温水プールでやることとなった。一般開放中のプールなのでそばに立つ事も出来ず、俺はメニューを確認しただけで帰る。何だか職責を全うしていないなあ。帰ると今日もA子はレッスン中、ピアノ室に入りたがる子供たちを両親が懸命になだめている。俺が引き取り、半ば無理やりに二階へ連れて行く。夕食は惣菜の天ぷらを乗せただけの天丼。今日も酒を銚子1本飲んでしまう。俺の仕事ぶりが杜撰になっているのはA子のせいじゃない、それは責任転嫁というものだ。分かってはいるが、どうにも気が晴れない。そんな空気を発しているのが伝わるのか、今晩も二人は「かあか、かあかがいいの」と俺に寄り付かない。

塞いだ気持ちで寝室で本を読んでいると、寝かせつけを終えたA子が入ってきて「参加できるか検討してほしい」とチラシを見せる。見ると「お父さんの子育て支援研修会」だと。この上俺に仕事を犠牲にして、家庭協力のための、しかも研修を受けろと言うのか。何だか家庭人としても職業人としても、何重にもダメ出しをされている気分になる。「スケジュール見ておくよ」と言って会話を打ち切る。風邪もなかなか治らない。