今朝もA子が唯の弁当作成のため台所やテーブルを一杯にして占拠しているので、片隅で苦労しながら自分の弁当と朝食準備。道具や材料を広げ放題、時間を使い放題で熱心に可愛らしいお弁当を作っている様は、殆ど趣味の領域だな。そんなことを思いながら洗濯物を干し、ゴミをまとめ、自分だけ先に朝食をとらせてもらう。その頃になるとようやくテーブルも空く。しかし台所は悲惨なほど洗い物の山、自分の食べ終えた食器と共に俺が片付けることになる。そうしなければ、夕方帰るまでこのままだからだ。A子は「忙しい、忙しい」と言いながら起きた唯を連れて階下のピアノ室へ、一緒にレッスンの時間となる。俺は洗い物を終え、そのうちに泣き出した和子をなだめ、着替えさせ、慌しく出勤。

今日は何とか部活を始めから終わりまできちんと指導することができた。しかしA子はレッスン生が増えてきたのでこの曜日も仕事を入れたいという。それはかまわないが、「俺に仕事の犠牲をこれ以上強いないでくれ」と、この一言がいえない。「自分ばっかり何にも疑問も持たずに仕事に専念できて、不公平と思わない?」と以前言われているからだ。こんな状態で専念しているとはとても言えないと思うが、それでも俺が出勤する7時半から定時ギリギリで帰ったとして17時半まで、約10時間を家庭から離れて過ごしている事実には変わりない。そしてその間、二人の子供に振り回されて奮闘しているA子の苦労、自分も社会に出て自己実現しているはずだったのに、という思いが募ってくるのも当然だと感じている。

しかし・・・今日も帰っての第一声「お疲れ~、大変だったね」とこれは俺のセリフ、A子は恨めしそうな顔で「本当に大変だった」とポツリ呟く。もう子供たちは食事を済ませており、焼きサバと煮物惣菜の夕食を一人いただく。洗い物をして子供たちを風呂に入れ、なかなか寝ない二人を相手にだらだら時間を過ごし、何とか布団に送り込んでホッと一息。A子と「三人目、どうしよう?」と話す。これまでは積極的に欲しいという考えだったが、この余裕のなさが続く毎日ではちょっと躊躇してしまう。