F市実家の二階で目覚める。唯はよく寝ている。夜中ぐずりもせず、不安を口にすることもなかったが、初めて母親と離れて一夜を過ごした心中はどうだったか。昨日の酒が残っていて食欲がないが、皆と一緒に朝食の卓を囲む。ここでも唯は目玉焼きを乗せたご飯を茶碗一杯平らげるなど、遊び食べとは無縁の模範生ぶりを見せつける。対して義姉の次男の方は、朝からぐずりっぱなし。母親べったりに甘えている様は、家で見る和子を髣髴とさせる。子供たちで(俺は唯の介添え役で)ばば抜きをやったら、この次男がビリになってしまい、ひっくり返って大泣き。それも帰る段になってもずっと泣いているのだから、その悔しがりも半端ではない。彼で小1、俺たちの子育てもまだまだ苦難の道が続くのだと教えてくれているかのようだ。

泣き続ける次男を含めた義姉母子を最寄の駅で降ろし、お別れをして俺たちは家に戻る。A子の風邪はいよいよひどく、和子も夜中に吐いて大変だったと言う。昼飯にサンドイッチを作る。インスタントラーメンの準備をしていたらA子から「唯と約束していたから」と言われ変更するのだが、細々と具材や手順について説明を受けているうちにやる気が失せてくる。俺の様子を見て「なんかテンション落ちちゃった?私がやろうか」と言うA子。俺が「やろうと思っていたのを変更すると何か気分が乗らなくなるんだよね」と返答したのを聞いて怒り出す。「だから初めから私がやるって言ってるでしょ」。俺の本音は違う、状況に合わせて献立を替えるなんてのは苦でもなんでもない、むしろ得意な方だ。嫌なのは、指図されたとおりに作らねばならない事なのだ。

でも気持ちを入れ替えて卵サンド・ハムサンドの二種類を作る。余った耳の部分を揚げて砂糖まぶしにしたら、こちらの方が子供たちには好評だった。その後子供たちは昼寝をしてくれたが、和子がまた吐く。咳き込んでいるうちに戻してしまうようなのだ。明日子供医院にかかれるよう予約を入れる。A子はPTAの会合もあって忙しくなりそうだ。夕食はインゲンの卵とじを乗せたインスタントラーメンと、義母が持たせてくれた稲荷寿司や惣菜類。和子は喜んで麺を啜っている。胃が空っぽで腹が減っていたのだろうが、あまり詰めすぎても今晩が心配だ。

「かあかと入りたい」と言う二人をなだめて風呂に入れ、歯磨きを行なう。それでもこの二つは、不承不承ながらも俺がやるのを受け入れてくれる感じだ。昼寝が遅かったので二人とも元気、なかなか寝ようとしない。22時近くなってやっとベッドで絵本を読む態勢にまで持っていき、いくつか読んで俺は退散。連休もこれで終わりだが、「休みが終わってしまうなあ」という感慨はない。部活や、家事や、何より子供たち相手のしんどさで、今年のGWもやっぱり慌しく過ぎてしまったからなあ。