対する唯の口癖だが、最近は何かと「○○なんですけどー」と自分の要求や不平を表すようになった。何かこまっしゃくれた言い方が、唯本来の性格というより幼稚園の子供たちの影響を受けているなあと感じさせる。「唯、ご飯だよ、席につきなさい」「・・・今、パズルやってるんですけどー」(席につこうとして)「ちょっとー、椅子にタオルが乗っているんですけどー」等等。もっと素直に「もうちょっと遊ばせて」「タオルを取ってちょうだい」など直接的な言い方が子供らしくて自然と思うのだが、そういう違和感もまた親の一方的な押し付けなのかもしれない。

学校では細々とした仕事に追われる日々。授業準備も思う様に進まず、あっという間に時間が過ぎてしまう。年度当初なのだから仕方がないが、とにかく放課後プールに連れて行かない日は急いで帰って子供たちの相手を引き継がねばならないので、放課後がまるで使えず、授業の合い間に全てをこなさねばならない。今日も放課後は職員会議、これが長引いて17時を越えてしまう。18時にはA子のピアノレッスンが始まるのでそれまでに帰りたいのだが・・・とやきもきする。

何とかレッスン開始には間に合って帰宅。唯も和子も外で遊んでいて家の中に入りたがらず、手を洗わせて部屋に入れるまでが一苦労。そのうち生徒さんがやって来て妹のAちゃんが2階に上がってくると、唯は「ご飯が食べたい」と駄々をこねてテーブルから降りようとせず、一緒に遊ぼうとしない。このところAちゃんの横暴が目についていたので、気持ちは分かるのだが。結局Aちゃんには一人で遊んでいてもらい、刺身漬け丼と茶碗蒸しの夕食を先にとらせる。二人ともよく食べた。

レッスンを終えたA子と二人でゆっくり食事、子供たちが何やかや言いに来るが、適当に受け流してリラックスさせてもらう。子供第一主義のA子も、食事時はだいぶマイペースを保てるようになった。そうそう、その方が精神衛生上いいって。でも風呂から上げ、寝かしつける時はまた子供たちの要求をできるだけかなえようとするいつものA子に戻り、献身的に世話をしている。もうこちらも眠いのに、唯の求めに応じて「ラピュタ」の長い絵本を頭から終いまで感情こめてゆっくり読む。俺は絵本を持ってページをめくる係だが、いい加減途中で投げ出したくなってきた。「もう遅いから寝なさい」で通しちゃえばいいのに。