昨夜も和子が泣き続けて大変だった。一度はA子もさじを投げて、客間で寝ている俺の元に置いて行った。不思議なもので、俺が一生懸命なだめていると「かあかがいい~」と言って泣きじゃくっているのに、トイレに行ってる間一人放置されていると案外静かに泣き止んでいたりする。要は甘えを誰かにぶつけたいのだろう。しかしそうは言ってもいつまでも放って置くわけには行かず、ミカンをあげたりブロックを与えたりして深夜ご機嫌取りに苦心を続ける。A子が引き取りに来てくれたときには心底ホッとした。普段「可愛い可愛い」と吹聴しているくせに、己の忍耐力の低さに呆れる思いだ。

朝はひんやり肌寒い。朝食は納豆とおでんの残り。唯は機嫌よく起き出してきたが、和子は当然のごとく熟睡を続けている。いいねえ、好きなように泣いて騒いで、朝はいつまでも寝ていられて・・・などと詮無い嫌味が浮かんでしまうのも狭量な心のなせる技か。

学校は生徒は登校せず、合格発表に伴う業務。午前中は入学資料の袋詰めを、輪のように長机を取り囲んで流れ作業で行なう。何だか工場のパートをしている気分だ。昼に発表を終えた後、袋詰めした資料を近所の体育館に運び、中学校側に受け渡す。我々からは近い場所だが、市内全域が集まってくるのだからかなりの混雑だ。午後は入試業務から解放され、要録書きを進めることができた。

帰ると、このところ毎日そうだが誕生日プレゼントの「フレッシュプリキュア」のCDが延々とかかっている。唯が止める事も他の音楽にすることも許さないのだ。これだけ気に入ってくれてプレゼントした側としては本望だ。あまりに聞きすぎて、と言うより乱雑に扱ったためだろうが、既に演奏中ところどころ飛ぶようになってしまった。いくらなんでも傷つくのが早すぎると考え、洗剤をつけてCD表面を洗ってみたところ、また元通り聴けるようになって良かった。これまで音が飛ぶようになってあきらめていた数々のCDも、汚れが原因なだけで洗えばすぐに復活するかもしれない。

夕食はレトルトのカレー。食後にもらい物の夏みかんを剥くが、どえらい酸っぱさでて口にするのがためらわれる。それでも和子は喜んでむしゃむしゃ食べるから大したものだ。風呂は今夜も二人ともやめておく。静かに寝付いてくれよ、と祈る思い。