親父が入院して、階下が静かになった。お袋は「せいせいしている」と強がっているが、平素の話し相手がいなくなって心細い気分ではないだろうか。一緒に飯を食おうと誘ったが断られた。お袋も糖尿病の食事制限があって俺達と献立を共にできないという気遣いだろうが、一人では何かと無駄が出るし、また時間をおいて声をかけてみよう。

学校では今日も全員出席。この1週間は遅刻・早退・欠席なしのパーフェクトな出席だった。朝のSHRで褒めてやる。珍しく賞揚の言葉を聞くせいか、普段はそっぽを向いている生意気な女子も何事かと俺の顔を凝視している。いや本当に、担任として一番の願いは、皆が楽しい気分で毎日学校に来ているかということなんだよ。

ぼちぼちテスト作成に入る。教務課長から、来年度新設する地歴演習の県教委への申請書と年間計画作成を指示される。いよいよ仕事が溜まってきた感じ。部活のシーズン終了以来、ちょっと楽をしすぎてきた反動か。北部水泳場の利用予約、K高校が何の連絡もないまま週二回もべったり押さえてしまっている。毎年近隣高の話し合いで、ここ数年はずっと俺達が火曜を優先利用させてもらってきたのに。俺達は少人数だからまだ譲る準備もあるが、あのH商ともバッティングしていて、どう交渉するつもりだろうか。

親父の診断結果は悪い方に出た。悪性の結核だそうで、3ヶ月の入院治療だと。ただ10段階の2程度だそうで、家族へ感染している疑いは低いらしい。それでも念のため月曜に検査に来るというが、仕事がある俺はどうしたら良いだろうか。明日親父の見舞いに行った時に聞いてみよう。それにしても、高齢での再発が体にかける負担はどれ程だろうか。それに和子の相手や庭木の手入れなど、親父が受け持っていてくれた部分は大きい。早く元気になって戻ってくれるよう祈るばかりだ。