今日はピアノレッスン・明日は合唱祭の伴奏とA子が日中家を空けるため、部活シーズンを終えた俺は子供係の週末となる。と言うより、先週の大会で部活に区切りがつく予定を見越してA子がそういった計画を立てたのだから逃れようがない。せっかくの休日を・・・とも思うが、しかし子供と共に過ごす事こそ最も充実した休日の送り方でもあろう。出かける前にA子が作ってくれたサンドイッチを一緒に食べ、NHK教育の「おさるのジョージ」など子供番組を見て過ごす。

昼から公民館で行なわれている敬老会に、唯の通う幼稚園が歌と踊りで参加するというので、親父に公民館まで送ってもらい、他のお母さん方と出番を待つ。親父は自分にも敬老会の招待が来ているのに、「年寄りの集まりは好かん」と不参加を決め込んでいる。両親ともこっちに越してきてから、なかなか地元の知り合いを作ろうとしないことにいささか不安を覚えるが、彼らなりに充実した毎日を送っているようなので無理強いはできない。踊りは唯はどうも集中力に欠けるようで、舞台の上で廻りの友達をきょろきょろ見回しているうちに終わってしまった。ラジオ体操の時も思ったが、集団での演技や行動が苦手なのかも知れない。

出番を終えてお菓子をもらい、公民館からの帰りは歩きとする。坂道が続き、好奇心旺盛の唯はすぐに立ち止まって何かを見つけるので時間はかかったが、30分ほどで歩き通すことができた。さすがに疲れたか、お昼のそばを食べさせているうちに眠くなり昼寝。しかし入れ代わるようにお袋が寝かせてくれていた和子が起き出し、しっちゃかめっちゃかにそばを食い散らすのでかかりっきりになる。その後暫くは勝手に遊ばせておいて「日暮らし」の続きを読むことができた。

起きた唯と和子を連れて買い物に。一緒にカートに乗りたいと唯がちょっと愚図ったが、概ねスムーズに用を済ませることができた。夕食のカレーを作り始めても二人は勝手に遊んでいてくれる。ずいぶん手がかからなくなったな・・・と感心していたが、A子が帰ってきて状況は一変。唯は我侭をぶつけて些細な事で大泣きになるし、和子はスカートを掴んで離れようとしない。どちらもかあかが帰ってきて初めて心から甘えられる体勢になるのだ。ということはこれまで平気な顔をしていたものの、かあかのいない時間をずいぶんストレスに感じて過ごしていたのかもしれない。

カレーはシンプルなものだけど二人はよく食べてくれる。お風呂でも聞き訳がよく、歯磨きなど今夜の唯は自ら進んで「やろう!」と駆け出すほど。しかしそれら聞き分けのよさは、A子に対してさんざん甘えをぶつけられるからこそ引き出されるのかも。A子は「帰ってくるなりいきなり大変だよ~」とこぼしていたが、俺が日中二人の我侭はそれほどでもなかったことを伝えると「やっぱり私が甘いのかも・・・」と悩んでしまったようだ。しかし二人がそこまで心を許し頼る境地にまで俺は達していないことに、僅かだが嫉妬を覚える。