気がつくと唯の声がしている。布団を跳ね除けて時計を見るとまだ6時前でホッとするが、既に起きて何やら活発に叫んでいる唯を見ると、朝の支度がままならなくなりそうで気分が重くなる。それにしても大人並の睡眠時間で足りるとは、頼もしいような、もっと静かに寝ていてほしいような・・・。これだけ騒げば当然和子も起き出す。幸い昨日の豚汁があるので朝飯の用意はパス、洗濯と干す作業を中心に行う。昼は外に食べに行けるだろう。

海外留学していてたKが復学して挨拶に来る。去年まで水泳部で熱心に取り組んでいた生徒だ。今回も仲間のたっての希望もあって、一緒に県大会遠征に連れて行くことになっている。「もう選手でもないのにありがとうございます」とお礼を述べる彼女だが、本心は選手として堂々と行きたかったのではないだろうか。

金曜から大会遠征のため週末が仕事に使えない。テストも近いのに困った事だ。思い切って今日は徹底的に残業して、テスト監督表を仕上げてしまおうと決意。そう思って空き時間から準備していると、放課後になって「職員会議だよ」との声。ガーン、貴重な放課後もこうして会議で消費されてしまう。部活に行けないのは端から諦めているが、こりゃ今日中に帰れるか際どいところだ。

管理当番の鍵を預かって、一人職員室に残り、監督表のチェックを終え印刷を済ませて各机に配布し終えたのが22時半。すっかり車の通りも途絶えた田舎の国道を飛ばして家に帰る。当然だが皆静かに寝入っている。台所は散乱したそのままで、A子の子供達との格闘を物語っている。これらを片付け、風呂に入って焼酎ロックを飲みながら、今日記をつけている。夕食はカレイのバター焼きのようなもの。バターが品切れで何か別の油で焼いたのだろう。ま、酒さえ飲めれば献立は何でも良いのだ。