今日は部活が休みだ。朝食は豆腐と葱の味噌汁・じゃこ梅和え・唯だけ納豆。布団を干し片付け物を済ませてから、新居の現場に行って内装大工のK上さんとお隣のK松さんにお歳暮を渡す。突然伺っても小さい子供連れだと、愛想よく迎えてくれるのが助かる。帰り途中にスーパーでいろいろ買い物。明日はA子の友人が来るというので腕をふるおうかと思っているのだ。

昼のカレー(昨日の残り)を食べている間に唯寝入ってしまう。A子がこっそり部屋を抜け出して注文済みのケーキを取りに行き、寝ている唯の枕元にプレゼントを置く。セッティング終了後、俺たちは和子を抱いて別室で唯が起きるのを待つ。テレビを見ている間にいつの間にかサンタさんが来て、プレゼントを置いていってくれたという筋書きだ。ところが静か過ぎるのが不安なのか、なかなか唯布団から起きて来ず。おかげで伸ばし伸ばしになっていた「点と線」ビデオ録画の前半を見ることができた。

やっと起きた唯の歌声が聞こえてきた。最近は「ネズミの尻尾は細長で~」という変な歌がお気に入りで、実に上手に歌う。しかし目の前にあって気づいているはずのプレゼント包みにはあえてノーリアクションだ。俺たちが出向いて大げさに驚いてみせる。「あっ、プレゼントだ。窓も開いているし、きっと俺たちがテレビを見ている間にサンタさんが来て、唯の願いを叶えてくれたんだよ」と力説しても、却って脅えたようにA子にすがり付いて、「開けてみる?」と聞いても「いや!」とこの異変を受け入れたくないようだ。A子がご丁寧に英語での手紙も添えていてくれたので、「あ、ToYuiって書いてあるよ、唯への手紙なんだ。これ読んでみようよ」と呼びかけて手紙から開けさせ、何とかプレゼントも受け入れる体制に持っていく。

用意したプレゼントは、来春からの幼稚園で必要というアルミの弁当箱セット。唯の大好きなアンパンマンキャラクターで図柄が揃えてある。これを見た唯はやっと上機嫌になって、「今日のご飯はこれで食べるね」と気の早いことを言い出す。A子がクリスマス定番の鶏腿オーブン焼きを作り、ワインとジュース(和子はお粥)で乾杯。唯は弁当箱セットの箸やフォークを使ってご満悦だ。食後、冷蔵庫のケーキを開けるとこれもアンパンマンが模られた可愛い形。ローソクを立て、部屋を暗くして記念撮影。唯はローソクの火は上手に吹き消すことができたが、ケーキはチョコやクリームのところばかりなめたがってスポンジ部分は残ってしまう贅沢な食べ方。彼女の小さな心には、サンタさんの存在はどう印象付けられたのだろうか?