朝は納豆・目玉焼き、大根の味噌汁。ツナ関係のおかずを唯は好まないらしく、味噌汁ともう一品に苦労する。最近は出がけ間際に起きてくることが多く、出勤時間も後方へずれがちだ。

部活は合同練習の日。もう一校のI高も揃い、4校の固定メンバーとなりそう。それにしてもH商顧問のS田先生、今回も我々を前に熱く語り続ける。本当に人が好き、教育が好きなのだろう。スイミングではなく部活を通してしか得ることのできない連帯感や相互の思いやり・集団帰属意識・マナーや礼儀など、自身のお子さんもちょうど高校に入学して部活を通じて大きく変身を遂げたとかで、その教育意義の高さを改めて強調される。本人曰く「俺ももうジジイの部類に入って、残りの10年は若い後進の先生に自分の培ってきた知識や人脈を受け渡していく時期だと思っている」と長口舌の言い訳のように話していたが、いやいや衰えぬ意欲がほとばしり出てくるようだ。

19時過ぎに帰るとA子が疲れた顔。今日もずいぶん唯が困らせたと言う。「でも私は怒らないと決めているの。だってあなたが怒るから、二人で辛く当たるのはかわいそうでしょう」と思わぬ非難の矢を向けてくる。「(近所の)YさんやOさんのご主人は本当にやさしくて一切怒らないから、奥さんが叱る係になっているんだって」と羨ましそうに付け加える。これはいろいろ反論したくなる。まずA子は本当は叱る立場に立ちたいのか、俺には常に優しく接してもらいたいのか、これまでそういう要望を受けたこともないが。そして優しい近所のご主人方は、毎朝4時半に起きて洗濯や朝食の用意をしているのか、家事のほとんどを奥さんに任せ、その後ろめたさで育児に口出しできないだけではないのか。

なんてことを思っても育児ストレスで疲れているA子を刺激するだけで建設的な議論にはならないと思い、我慢する。ただ今後しばらくは唯に対してあからさまに叱ることなく、じっと様子を見るだけに止めよう。そう思って食後から風呂上り・就寝まで過ごしていたら、結局我が侭言い放題の唯の相手をほとんどA子が受け止めることになってしまった。これまでは何でも「かあかがいい」と言っていたのを強引に俺が歯磨きやら消灯廻りやらやっていたから、叱ったり力ずくでやらせたりを無くすと、必然的に俺の出番が減ってしまうのだ。楽でいいが、A子がこの状態を望んでいるとも思えないのだが・・・。夕食は昨日のハンバーグ、ビールを1本。