里芋と油揚げの味噌汁を作り、洗濯物を干し、資源ゴミの回収所へ溜まったプラスチックを山と積んで出しに行くと、もう出勤までいくらも時間がない。味噌汁と納豆、俺だけ別にキムチの朝食。母子の支度が整わないので一人で食べる。和子はもう完全に寝返りができるようになった。

現代社会の授業、「大衆社会」の後半。現代人は自由に伴う自己決定の責任に耐えかねて、多くが周囲に同調し自我を埋没させている。それを様々な組織が利用・補強し、個の管理を強めて集団的目標に向けて合理的に行動する1つの歯車となることを要求する。個々は管理社会の中で存在意義を見失って「人間疎外」の状態に陥ってしまうことが多い。自己の存在意義を見出すためには他者とのコミュニケーション能力を高め、自主的に人とかかわり行動するよう意識することが大切、特にボランティア活動などが有効・・・そんな内容。

管理社会を拒否し主体性を持って反社会的行為を示す、というテーマの表現作品は若者の共感を呼び支持されやすい、という例で少々古いかとも思ったが尾崎豊の「15の夜」を紹介したら、クラスの多くが知っていて、改めて尾崎人気の不滅さを実感。しかし「歌や映画では、盗んだバイクで夜の帳の中に駆け込んで行ってそこでエンドマークになるが、実際は日常が続いていく。ただ社会を否定するだけでは自分の生きていく場所を確保できないな」と説明を加えても、分かった様な分からない様なあいまいな表情。それまでの抽象的な講義よりも俄然聞く姿勢を強めてくれたのは良かった。本当、毎回聞かせるネタと構成に苦労する。

18時に帰ってサンマとネギ焼き・トマトの付け合せ、味噌汁の残りで夕食。唯が「お母さんといっしょ」の歌にあわせていろんな踊りを披露してくれるのが楽しい。今のお気に入りは「おっとっとのオットセイ」とか言う歌だ。今日は総じて機嫌が良いので助かる。風呂では泣いて嫌がるのをなだめすかして体を洗ったが。最後の「30数えて出よう」という時には不思議と大人しくなって一生懸命数えてくれる。課題が明確に示されると、克服しようという負けず嫌いの気性が生理的な嫌悪を上回るのかもしれない。