夜中に頻繁に唯の夜泣きで起こされる。熱でうなされているようだ。朝になっても熱は下がらず、A子が今日のレッスン予定を次々中止の連絡をする。子供医院に連れて行く間の和子守りの為、俺の親も動員される。いつも何を置いても駆けつけてくれて本当にありがたい。A子は何かにつけ職業を持ち続けることの大事さを主張するが、何かある毎に自分の母親(ピアノや琴の先生をしている)には頼れず、専業主婦であるお袋を引っ張り出してこなければならない現実に矛盾を感じないのだろうか。

とはいえ俺も県大会のこの日を犠牲にすることはできない。午後からの開会なのでまず学校で昨日程度の練習、その後選手だけ連れて行く。他の役員連中には悪いが、俺は今回は見学だけにさせてもらう。会場一番奥、アッププール前の観覧席は空いていて具合がいい。今日出場する選手は200個メの一人だけ、他の選手をアップに行かせたり記録を取らせたりしている間、ずっと借りていて読めなかった「八つ墓村」を読み進める。

横溝正史はもともとA子が好きでよく読んでいたのだが、今回も俺が借りてきたのを見つけ2度目だと言いながら先に読んでいた。俺にはどうも古くさいという先入観があって、金田一シリーズは恐らくこれが2度目だと思うのだが、最初に読んだもうタイトルも忘れた荒唐無稽のものよりずっとリアリティがあって面白い。未だ途中で濃茶の尼が殺されたところ、犯人は「典子」じゃないかなと思っているがどうなるか。

レースはかろうじての自己ベスト、帰るともう19時近く。お袋の残していった焼き飯を頂く。ベーコンやニンニクが山ほど入っている。唯はやはり夏風邪だそうで、2日ほど熱が続くといわれたそうだ。それでも37度台まで下がってきたからやれやれだ。明日はずっと早く出ねばならない。読書の続きが名残惜しいが、早寝を心がけよう。