早朝に階段を下りると唯も目覚めたらしく、母子共に起き出して来て見送ってくれる。出て行く俺はいいが、A子はこれから本格的な朝の始まりまでどう過ごすのかちょっと気の毒。何とか唯を起こさずに抜け出したいものだが。それでも夜明けは日一日と早まっており、車で移動する最中に日の出を拝むことができるようになっている。アパートについてカップ焼きそばで朝飯、お袋が持たせてくれた弁当を昼食とする。

採点業務は問題もなく午前中で終わり、午後は明日からの特別日課に備えた諸準備。けっこう時間に余裕があるので、要録書きに着手し始めている先生も多い。が、どうもこればかりは間際にならないとやる気が出てこない。とにかくA子からの連絡がいつ入るか、そればかり気になって仕方ない。

今日は前任校でお世話になった元生徒課長のS司先生が定年を迎える、社会科の慰労会。先方からお招きに預かり、川向こうの隣町まで出向く。実はこちらでも同僚の2教諭が今年度いっぱいで教職を離れるため送別会があるのだが、そちらへの不義理は大変申し訳ないが大恩あるS司先生のところへ駆けつけないわけにはいかない。予定では出産も済んで、晴れてアルコール解禁となっているはずだったのに・・・と思いながら、車で会場まで向かう。

S司先生は相変わらずの饒舌で、主賓でありながら皆を笑わせる話の連発だった。この学校の社会科も半分以上が知らぬ顔になってしまい、ともすれば会話も途絶えがちになることを危惧したのだが、我らがS司さんはどんな顔ぶれに対しても決して話をだれさせることのない、語りの名手である。ウーロン茶で4時間付き合ってお開き。静まり返った家に着いたのがそれでも23時。今日もお腹は静かだったようだ。