唯の泣き声とともに目覚める。気づくとA子が既に起きている。またイビキで眠れなくさせてしまったか、と身をすくめる。最近は毎朝こんなビクビク状態で、我ながら情けなく感じる。A子によれば、俺のいびきも多少気になったようだが、新居のことを考えていたら眠れなくなり、4時前から起きていたんだと。納豆と味噌汁の朝食。唯は写真をうるさがってなかなかこちらを向いてくれない。自我の目覚めは急速に発達している。

授業はテスト返し。今年は受け持ち生徒が少人数ばかりの集団なので、修学旅行明けすぐの返却も可能だったが、例年のように40×4などという受け持ちだったら、それも難しかったろう。少人数かつ俺の「ルール」を知っている2・3年生なので授業中の態度もよく、赤点の心配もない。成績評価の方面に関しては、他の先生方より楽させてもらっているかも。

それでも放課後15時から勤務調整で早引けできたのだが、年末の進学補習に備えて多大なレジュメを用意しておかねばならず、結局18時といつもどおりの帰宅。母子が帰ってくる間に炊飯・風呂掃除・食器洗いとこまめに働く。帰ってきたA子はそのまま長電話、俺は唯の相手をしながら食卓を整えて待つ。実家からもらってきたおでんとドライカレー、柿サラダ。仕事上のことだから仕方ないが、やはり少しは腹立たしく感じる。こういう時、旧来の夫婦像と比較して自らを卑下する感覚は間違っているというのは大いに自覚しているつもりだ。が、こちらの誠意に応えてほしいという苛立ちは否定しきれないのも事実。