部活オフの日。今日は家族3人で近場へドライブに行こうとA子ともども予定を空けてあった。検討した結果、車で2時間ほどのT島水族館へ行こうと決定。ここは結婚前にデートに来たことがある思い出の地だ。昨日のエビチリと冷やご飯の残りなどありあわせの朝食を済ませて出発。

国道に出れば道に迷うことはないと思っていたのだが、肝腎の国道に出る前にほんの近場で迷ってしまい時間をロス。俺って方向感覚が狂ってるのかな。でも地図確認のため停めたコンビニでビデオのテープを買うことができた。何かイベントがあるとA子はビデオ撮りを欠かさない。国道に出たあとは渋滞もなく順調に到着。しかし夏休み終盤の日曜ということもあって、館内は大変な混雑。唯は大勢いるのが嬉しいのか、あちこち歩き回って歓声を上げている。始めのうちこそ水槽内を興味深げに覗いていたが、すぐに動きまわる事自体に遊びを見出して、熱心に動きまわり過ぎてオムツがずり落ちてしまった。

混み合った館内を出て、桟橋で続いているT島へ渡る。そこで唯に初めての「海」を体験させようと、裸足になって波打ち際まで来させるが、恐がって立とうとせず俺にしがみつくばかり。海水の塩辛さだけしっかり味わって、帰路につく。昼食に寄ったドライブインでは一見無愛想なウェイトレスが「可愛い」「名前は?」とタメ口なのが気になるが頻繁に話しかけてきて、唯も上機嫌で愛想を振り撒く。しかしこの店、スパゲッティ専門店を看板にしている割にはソースがドミグラスの1種類、緬も鉄板の上にジュウジュウ音を立てて運ばれてくるという、三十年前の喫茶店で出されるような代物だったのに閉口した。

車の中で電池が切れたように眠っていた唯も、家につくとまた元気一杯、昼間の興奮を持続させてはしゃぎまわる。俺もA子も疲れてしまってろくに相手をしないでいても、一人であちこち動き回っては何かを引っ張り出して散乱させている。夕食は素麺と味噌汁、ゴーヤの煮付け。A子はヘルシーだと喜んだ風を装っていたが、ゴーヤをそっと俺の皿に移したのを見逃さなかったぞ。粗食が苦手な奴だ。