昨日は酎ハイ2缶でいい気になって寝てしまったが、今朝6時過ぎに起きてみると、A子と約束していた今晩の唯の誕生会に向けて部屋の飾り付けが済ませてある。色紙のワッカが天井から四方の壁に伸び、中央には[唯、誕生日おめでとう]と記した似顔絵付のカードが下がっている。彼女にしてみれば俺と一緒に飾り付けをしたかったことだろう、申し訳なかった。出勤間際になって起き出した唯のオムツとミルクの世話だけして出かける。

生徒にとって5日ぶりの学校は、テスト返却が中心の短縮日課。放課後、転学希望を申し入れているH女子の意向を学年主任と再確認して、続いて頭髪服装指導の再検査に更にに引っかかった生徒を注意する。部活はまだ辞めていった奴らに対する未練が強いようなので、残った部員を集めて話をする。「やる気のない奴にとっても、顧問の俺にとっても今回は良いきっかけだった。『俺の言い方や態度が気に入らなくてやめた』といっている奴らは、辞めるきっかけを探していて今回の口実に飛びついたに過ぎない」と話したが、未だ納得できていないような顔が目立った。でも俺は本心をさらけ出して言ったのであって、決して取り繕うとしたのではないので、仮に俺の言い方がひどいといってまた退部希望者が出たとしても、俺としては何ら悔いはない。

家に帰って、唯の誕生会。料理の準備が出来るまで唯と一緒に遊ぶ。なんだか今日はご機嫌が悪いようだ。A子手製のポテトサラダにたらこスパゲッティが並ぶ。唯は抱かれたり椅子に座らされたりすると泣いてぐずるが、テーブルの廻りに自由に立たせておくとご機嫌になって、立ったまま差し出されるスプーンの食物をよく口にする。もうかなり自我が芽生えている証なのだろうか。今後が思いやられる気もする。