唯は体調もほぼ戻ったようで、相変わらず夜泣きをするものの一昨夜ほどではなく、俺も充分眠れた。定時に起きて昨日の残りで朝食を済ませる。今朝は母子起きてこず。外に出ればよく晴れて花粉がきつく目に沁みる。

面接は順調に過ぎたが、前後期制になってから後期の受験生の緊張度が一層激しくなったと感じる。一度不合格を経験して「もう後がない」と思いつめている者がほとんどだからだろうか。リラックスすればいいという物でもないかもしれないが、15歳の受験であまりふるいにかけられるような体験をさせるのは酷だと思う。まあ、面接結果は選抜資料としてはほとんど参考程度にしか使わないんだけどね。

昼は教科でうな重をとる。値段の割にはうなぎのふっくら度が足りず、いまひとつ?の感想。これなら気張って上を頼むこともなかったか。因みに上は肝吸い・メロンがついて1730円、並がメロン無しで1550円なので、ほとんどメロン代の差ということになる。

午後から筆記試験の採点になる。事前に教科主任として設問ごとに採点の分担を分ける作業をした。なるべく負担が社会科員の中で均等になるようにと苦心したのに、発表すると「切れ目が分かりにくい」と不評。論述問題を割り振られたベテランA先生は、ことさら「頭が痛くなってきた」「明日休もうかな」等を連発する。俺もすぐ顔に出るほうなので、採点中ちょっと空気が重くなる。こういう時、笑って冗談を言って「まあそういわず頑張ってくださいよ」と言える性格になりたいものだ。いや俺は元来そういう性格のはずなのだが、まだこの職場ではどういう訳か構えた姿勢をなかなか崩すことができない。決して居心地の悪い環境ではなく、そこそこに仲はいいのだが、本当に心を開ける関係がまだ築けていないためだろう。

帰ると夕食後になってA子が、昔指導していた合唱教室にチャリティーコンサートの宣伝に行きたいと言うので、その間唯の面倒を見ることにする。絵本を読むと途中で次々と本棚を指差して違う本を要求されるので往生する。とにかく言語獲得以前の今は、ほぼ全ての要求を指差し、拒否を払いのけで表現している。いい大人がやったらとんでもない暴君ということになるが、可愛い唯のためなら喜んで仕えさせていただく。