6時起床、朝食と弁当の用意。ずいぶん前に作ったチャーシューが残っていたので不安に思いながらも卵とじに炒めて両方のおかずとする。朝はそれと昨日用意しておいた大根の味噌汁。唯が起き出してオムツとミルクの世話をしたところで出勤時間となる。今日はずいぶん寒くなって、受験生達が気の毒だ。

朝のうちに降っていた雨が止みそうでぽつぽつ残る中、受け付けが始まり受験生たちが校舎内に入って行く。前期入試の倍率はどこも高く、それだけに生徒も付き添いの中学先生もピリピリムードだ。「受験機会を増やす」名目のもと導入された前後期制度だが、それは「落ちる経験を増やす」ことにつながるわけで、15歳のうちからそんなに多くの子が挫折を味わう必要があるのかとつい考えてしまう。今の世の中、そのくらいの試練は早いうちから経験すべきだということか。

午前のテスト監督の後、今年は面接官から外れたので廊下で受験生の誘導係を務める。午後から少し晴れ間が覗いてきたとはいえ、北側の廊下は冷え込みが厳しい。受験生も一様に首をすくめて寒そうにしている。面接マニュアル片手にぶつぶつ呟きながら自分の番を待っている彼らに、頑張れ、落ちつけと声をかけてやりたくなる。今日は本校生徒は原則登校禁止で、県大会決勝を控えた女子バレー以外は部活もできないので、定時に帰る。

唯はいつも笑顔で嬌声をあげて俺を迎えてくれる。着替えているズボンの裾につかまって手を振りかざし、「早く抱っこしてくれ」と言っているのだろうか。大急ぎで手洗い・うがいを済ませて抱き上げ、ほおずりする。夕食はA子の用意した鉄火丼と俺の作った野菜がんも煮。昨日のように中華スープで煮ず、日本酒と醤油だけで味付けしたら、ちょっと物足りない感じ。唯はホタテ・ブロッコリー粥をよく食べる。せっかく上の歯が沢山生えてきたのにほとんど噛まずに飲みこんでいるのが気になる。また下の歯は前歯二本が生えてからもう数ヶ月経つのに、一向にそれ以外が顔を出さない。まあ、何でもおいおいと揃っていくのだろう。