夜中に何度も目覚めてトイレに向かう。出るのはごくわずかだが催尿感が強く、横たわっていられなくなるのだ。そのたび痛む節々を堪えてゆっくり動く。昨夕に電話でA子に確かめたところ、幸い唯は元気だということだった。朝の不機嫌は単に気分の問題だけだったのだろう。予定では今日模試の監督を終えた後に実家へ寄って泊めてもらうはずだったが、母子にうつしてはならないので少なくとも月曜までは別々に過ごすことにする。寂しいが仕方ない。

朦朧とした頭で朝もう一度進路担当の先生に電話。人手が足りないようだが、それでも「心配ないから休んでください」と言ってもらえる。もっとも、いくら意気込んで俺がこの状態で出かけても、周りは迷惑にしか感じないだろう。とにかく暖房をつけっぱなしにして寝る。今日は雨模様で湿度は充分にあるが、熱のせいもあって肌寒い。A子に電話して体温計のありかを教えてもらい、測ってみると38.7度。昨夜の時点では40度近くあったかも知れない。

それでも腹は減る。朝はカップうどん、昼は何とか米を炊いてレトルトカレー、合間にリンゴやグレープフルーツジュースを意識的に多く摂る。夕飯は遅くなったが21時過ぎに冷や飯をおじやにして食った。酒なんてとんでもない。後はひたすら横たわって、眠りの合間にナンシー関の著作を読む。彼女の人気の原因は、その微細な感情の表現力も確かにあるが、何より文章からにじみ出る正邪の判断の根拠が多くの人の共感を呼ぶのだと思う。もう亡くなって3年半、未だにこの分野のフォロワーが出てこない(出てきても評判にならない)のは、先駆者ナンシーの偉大さを物語っていると言える。

夜になって多少気分が良くなったのでテレビの部屋へ行って摂りだめたビデオを見つつ内容確認してメモをテープに貼り付けていく作業をする。何しろたくさんのテープがコタツの上に山積みになった状態で、湯飲みを置くスペース確保に苦労するぐらいなのだ。内容もヨン様の同じ番組が2本ダブって録ってあったり、ノイズがひどくて見られないテープがあったりと、不要なものが多い。年末にA子実家で録ってもらったBSの「談志の笑芸百選」をやっと最後まで見る。俺が保存しておきたいのはこれだけだ。