朦朧とした頭で朝6時半に目覚める。同室の先生方はまだみんな寝ているが、部活が始まる前に家によって唯の世話などもしたいので7時にこっそり出発する。宿泊棟前の広場では生徒達が朝の集いのために集まり始めている。俺は夏休みの間に全身日に焼けて髭が伸びているので、ひと目では気づかれないようだ。平日の割には道は空いていて助かった。

唯の世話はA子が済ませてあったので、ちょっとだけあやして部活へ向かう。いよいよ台風の上陸が現実のものになってきている。予報では明日の午後に本州上陸ということで、大型の台風なので当然その数時間前から暴風雨警報は発令されることだろう。軽めの練習を終えた後、地区の副委員長を務めている先生に電話で尋ねると、とりあえずやる方向で進めているとのこと。たとえ警報が出ていても現地で判断してギリギリまで進行させるそうだ。明日の会場は海のすぐ近くなので雨風がまともに吹き付けそうで心配だ。

家に帰り、今度こそきちんと唯の世話。飲み会から帰った後はいつもしばらくA子の機嫌が悪いので、サービスに努める。近くの公園に散歩に出かけ、夕食はミートソーススパゲティと牛乳ジャガイモスープを作る。ところがこの献立、全体的に塩コショウが利きすぎてしまい、塩辛い味となってしまった。これだけはっきりとした失敗は久々だろう。でもA子は文句も言わず食べてくれるので感謝。俺はその後腹を下してしまったが、A子は涼しい顔でいる。精神的に優位な立場にいると、身体も丈夫さを維持できる好例かもしれない。