唯の生まれた町は間違いなくここなのに、一体どこへ帰ろうっていうんだ? …なんて分かりきっている事にイチャモンを付けるのも愚かしい。唯は今日から1ヶ月もの間、A子の実家で暮らすことになった。確かに春休みに入ったとはいえ、これから遠征続きで日中ろくろく家にいることができない俺が、唯の生育環境を少しでも良くしようとするA子の行動に文句を付けられるわけが無い。只でさえ発育が遅れ気味で充分なケアが必要なのだから、1日の大半を母子二人きりで過ごすことにA子が不安を覚えるのは当然のことだろう。
朝、泣いている唯をなだめて授乳後の糖水を与え、寝かしつけて部活へ行く。今日から新入生が一部参加している。監督のいない練習はいつもより笑い声が多いが、こちらの気分は重く沈んだままだ。帰りに昨日義姉親子たちと撮った写真をいつものDPEに出して戻る。早めに沐浴を済ませ、また授乳と糖水を与え終えて、いよいよA子の実家であるH市へ向かう。車中はどうしても沈黙がちになる。A子も俺の心中を解ってくれているのだ。
実家に着いた唯は環境の変化を感じたのか、いつもより激しく泣いている。甥姪たちが珍しがって次々と覗きに来る中、なんとか静めて寝かせるが、ベビーベッドに置いたとたんにまた泣き出す。…お前も辛いのだろうか?
大切な唯を引き渡し、義母お手製の天ぷらをもらって帰る。一人で帰る部屋はこんなにも静かだったのかと、改めて驚かされる。つい数日前までA子のお産入院のため一人で過ごしていたはずなのに…つい酒に手が伸びてしまいそうだ。これまで唯と一緒にいる間は一滴も飲まなかったのに。
朝、泣いている唯をなだめて授乳後の糖水を与え、寝かしつけて部活へ行く。今日から新入生が一部参加している。監督のいない練習はいつもより笑い声が多いが、こちらの気分は重く沈んだままだ。帰りに昨日義姉親子たちと撮った写真をいつものDPEに出して戻る。早めに沐浴を済ませ、また授乳と糖水を与え終えて、いよいよA子の実家であるH市へ向かう。車中はどうしても沈黙がちになる。A子も俺の心中を解ってくれているのだ。
実家に着いた唯は環境の変化を感じたのか、いつもより激しく泣いている。甥姪たちが珍しがって次々と覗きに来る中、なんとか静めて寝かせるが、ベビーベッドに置いたとたんにまた泣き出す。…お前も辛いのだろうか?
大切な唯を引き渡し、義母お手製の天ぷらをもらって帰る。一人で帰る部屋はこんなにも静かだったのかと、改めて驚かされる。つい数日前までA子のお産入院のため一人で過ごしていたはずなのに…つい酒に手が伸びてしまいそうだ。これまで唯と一緒にいる間は一滴も飲まなかったのに。