年休を取って朝から待機。8時半頃A子から電話がかかってきて、退院できるとのこと。幸い風もなく良く晴れた日になった。ベビーバスを洗ってベランダに干してから、退院の荷物とカメラを持って迎えに出かける。余裕を持って行動しているのに気が急いて仕方がない。年度末はどうしていつもこう道路工事が多いのだろう。

世話になった入院室を片づけ、お礼を言って産院を後にする。院長自ら出てきてお祝いの言葉を述べてくれた。やや自分の方針を宣伝しすぎる傾向があるが、熱心で良い先生だった。玄関前で記念写真。この時は晴れ晴れとした気分で、まさか数時間後真っ青になってもう一度この玄関に向かうとは思わなかったのだが…。

「おなか空いた」と言うA子のリクエストに応じて山かけうどんを作る。その後A子の合唱指導の生徒(おばさんだが)や実家の親がアパートを訪れて賑やかな午後を過ごす。今日の唯は良く眠っていて授乳に苦労する。来客が帰った後、産院から支持されている通りこまめに唯の体温を計るのだが、何度やっても36度を超えない。小さい体なので37度以上なければいけないと言われていたA子は次第に不安になり、うろたえ始め、終いには泣き出してしまう。

20時すぎに産院に電話して体を温める工夫をした後、再度検温して変化がなかったため産院に連れていって見てもらうことにする。おくるみや毛布で何重にも包んだ唯を抱え、夜の町を車で走る。もう22時過ぎだというのに、春休み近いこの時期は自転車で繰り出す高校生の集団がやけに多く目立つ。

結局産院で計りなおすと正常の範囲の値が出、計り方の不正確さが原因とわかってホッとする。家に帰り、すっかり遅くなった夕食を取って床に就く。A子は授乳や糖水準備のため「先に寝てて」とまだ忙しそうだ。何というか、神経がピリピリしているように感じる。まだ先が長いのだから、もう少しゆったりと構えていてほしいのだが、母親になりたての心境を思えば、無理もないか。