命名、「唯」。初めから、女の子なら唯・男の子なら一(はじめ)と決めていた。この世にたった一つのかけがえの無い存在だ、親として我が子にこれ以上の重さを持って伝えたい言葉はない。3人目ができたらどうするかって? それはその時になって考えるさ。

勤務中に姉・姪の親子から「可愛い~」とにぎやかな電話が入る。産院にお見舞いに来てくれたらしいが、赤ちゃんをさわる手はきれいか、耳元で騒いで驚かせていないか気になってしまう。自分自身こんなにも親バカ的思考になってしまっているのに驚きだ。

勤務先では朝礼の場で「おめでとう」と金一封をいただく。「感無量です。いつかこの子が嫁ぐ日に、この感動を話して聞かせたいと思います」と礼の言葉を述べると、失笑され「嫁がせる気ないんじゃない?」とやじられる。今年度の成績を付け終え、不振者への再試も終えて教頭に早退を願い出ると「何か(母子の体調に)異常でもあったのかね?」と尋ねられる。朝は校長教頭共々「いつでも休んで赤ちゃんの元へ行ってあげてください」と言ったくせに。でも早退を認めてくれたからいいや。

入院室ではA子が相変わらず浮かない顔。昨日はあまり吸う力がないようだ、と心配していたが、今日は授乳の時間(片パイにつき3分だそうだ)が過ぎても食いついたまま離そうとせず、無理に離すと乳首が痛くて仕方ない、とこぼしている。そして今日は俺が見ている時もずっと泣き通しだ。これじゃ余計に体力が消耗してしまう、と不安になる。しかし極力彼女を慰め元気づけているうちに、あれ、もう面接終了時間だ。持ってきて欲しいものリスト(しょうが湯・マグカップ・月型クッション・お礼状など)を受け取って帰宅。