ではあるのですが、
今年は、体育の日も、10月14日。
偶然ではありますが、2つの「歴史に残る記念日」が、重なることになりました。
体育の日は、もともとは10月10日で、1964年の東京オリンピックの開会式にちなんだもの。高度経済成長の時代を象徴する休日ですが、2000年の祝日法改正で10月の第2月曜と定められ、「ハッピーマンデー」第1号となりました。
一方、鉄道の日は、1872年に新橋~横浜間に我が国初の汽車が走った日。その後、政府と民間企業各社の尽力で全国に鉄道網は拡大し、1960年代以降は高速鉄道のスピード記録も定期的にたたき出すようになります。公共交通史、産業史に残る記念日ではあるのですが、休日とはなっていません。
体育の日が「ハッピーマンデー」とされていることについては、
「無闇に3連休を量産するばかりで、商業主義で歴史を軽んじている!」
との意見が、あちらこちらで聞かれます。が、これって、本当にそうでしょうか?
そもそも、日曜を除く我が国の休日は、単なる休日ではなく、「祝祭日」と呼ばれ、それぞれが固有の意味と由来を持っています。ゴールデンウィークの一部のように、そのような由来がない、便宜上設定された休日でも、「国民の休日」という名称を当てて、「単なる休日ではない」ということを強調しています。
話を戻すと、祝祭日とは、神社、神道、天皇陛下、皇室にまつわる記念日のこと。
(祝日)
・大晦日と三が日
・建国記念の日= 2月11日、紀元節
・昭和の日=4月29日(昭和天皇誕生日)
・文化の日=11月3日、明治節(明治天皇誕生日)
・天皇誕生日=12月23日
(祭日)
・春分の日=国立天文台の定める春分日(大体3月20日)
・秋分の日=同上、秋分日(ほぼ9月22~23日)
・勤労感謝の日=11月23日、新嘗祭
天皇誕生日は、以前は天長節と呼ばれました。その時点での「今上天皇」の誕生日が当てはまり、「皇室のお祝い」で「祝日」。これと年末年始以外の、春分・秋分・新嘗祭は「神社のお祭り」で「祭日」。
我が国の祝祭日は以上…
ですが、これを見て「アレ?」と思った方。あなたは正しい。
上に挙げた祝祭日は、あくまでも「神社と皇室にまつわるもの」だけ。それ以外の「国民の祝日」は、明治天皇の航海のエピソードに由来する「海の日」を除いては、固有の名称の有無にかかわらず、神社や皇室とは無関係で、歴史の歩みや大陸から伝わったものを含む国民の慣習、その他政治的な駆け引きの中で定められたものなのです。
・1月15日(→HM)「成人の日」
・5月3日~5日「憲法記念日」・「みどりの日」・「こどもの日」
・7月20日(→HM)「海の日」
・9月15日(→HM)「敬老の日」
・10月10日(→HM)「体育の日」
歴史上それなりの経緯があるとはいえ、いずれもその起源を我が国の伝統である神道に見出すことができないので、あまり日付が重視されず、これらの祝日は、祝日法改正のたびに新たなハッピーマンデーとなってきました。ゴールデンウィークに関しては安易に動かさない、とは言っても、5月4日「みどりの日」は4月29日を「昭和の日」に改称した際にこうなったもので、名前のなかった「国民の休日」に、政治的な調整の結果、その名前が回ってきたにすぎません。
ハッピーマンデーにされる祝日にも、それなりの「ワケ」があるのです。
もし仮に、体育の日は64年の東京オリンピック開会式にちなんで何が何でも10月10日であるべきだと言うのなら、同時に10月14日を「鉄道の日」、9月20日を「空の日」として、新たな休日とすることも主張しなければならないのではないでしょうか。そうでなければ「片手落ち」というものです。
以上、辛口な文章となりましたが、ハッピーマンデーのたびに沸く「片手落ち保守主義者」に、一言、物言わせていただきます。
