こんばんは!西宮市議会議員の松本たかゆきです。
知事選も終わり、平常時モードに戻っています。
知事選については色々思うところがありますが、それよりも西宮市にとって優先度の高いことがありますので、今回はそちらについて書きます。
ーーー 財政構造改善実施計画(素案) ーーー
この計画に対する意見募集(パブリックコメント)について、市政ニュースや市公式LINEを通じて西宮市在住のみなさまに本日周知がされているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
↑こちらのリンクにも内容が載っていますが、それらはあくまで市当局が作成した内容ですので、自分達(市役所)にとって突かれて痛い内容は書いていなかったり、書いていてもサラッと書いていたりします。
そこで、このブログでは厳しい指摘をしつつも、補足するような形で本計画について書きます。
市役所の立場と、その市役所を監視する議員の立場という構図を念頭に、お読みいただけると良いかと思います。
さて、この「財政構造改善実施計画(素案)」。
熟語が並んでいてピンとこないと思いますが、要は毎年市から出ていくお金(歳出)を減らして、毎年市に入ってくるお金(歳入)を増やしていこうという計画です。
ところで、西宮市は石井市長が市長に就任してから年度の収支は6年連続実質赤字です。
石井市長就任時から既に財政改善を主とする行政改革が求められていたところ、本市は令和二年度から「西宮市行政経営改革」を実施しました。
その改革の柱は政策、財務、地域、人材の4つでしたが、“財務分野に特化した施策が必要であることをこのたび市長をはじめとする執行部が認識し、今回の計画に至った”というのが話の大筋です。
しかしながら、財政構造の改善が急務であることは10年以上前から複数の議員が主張しており、財政指標の目標値設定や、財政逼迫の主要な原因である人件費(人事評価、処遇)の見直しも口酸っぱく提言がされてきました。
しかし、それら議会側の提案をまともに受けず、今回、行政サービスの低下に直結する計画を出していますので、西宮市議会はほとんどの会派が怒り心頭です。
…というここまでの経緯を踏まえて今回の計画を見ていただきたい、というのが個人的な想いです。
ここで、先述しましたが本市の財政構造を語る上で欠かせない人件費について触れます。
市に毎年ほぼ決まって入ってくるお金のうち、毎年ほぼ決まって出ていくお金の割合を示している経常収支比率。その出ていくお金の内訳の中に人件費がありますが、(西宮市と同じ分類である)中核市の平均は24%に対し、西宮市は32.5%と高水準です。
今回の計画では、様々な行政サービスについて、他市より突出している部分は他市と同水準にするような方針で施策が出ています。
その中で、人件費も見直しする計画も出ていますが、計画通り人件費見直しを実施したところで、ざっくり上記人件費の割合が変わるのはせいぜい1%程度。従って、31%程になっても中核市平均の24%とはまだまだ差があります。
この人件費を抜本的に見直さずして、行政サービスを見直すのは問題でしょう。
ただ、一律に職員の給与や処遇を下げると、優秀な職員や能力のある職員のモチベーションを下げることにも繋がり、その先には人材の流出、ひいては本市行政の衰退が待ちうけていると推測します。
したがって僕は、一年目の時から繰り返し申し上げているように、能力や実績に応じた人事評価制度の導入をいち早く実現するよう求めています。この要望を今月の常任委員会でも市当局に申し上げました。
ちなみにそのような人事制度改革が進まないのは職員団体、いわゆる労働組合の存在(反対)が大きいです。
詰まるところ市長が組合をどれだけ説得できるか、もしくは多くの職員が納得するような人事評価制度を確立できるか。この二つのいずれかだと思いますが、前者はハッキリ言って期待できないので、後者の提案を諦めずに続けてまいります。
一部、課長以上の管理職には、評価分布のばらつきや、評価に応じた賞与の支給も一定実施されていますので、全庁展開されるようこれからも働きかけをしてまいります。
本市の財政構造については、書き出すとかなりのボリュームになってしまいますので、今回の記事ではここまでとさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
松本たかゆき