今回は東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅へ。第92景「木母寺内川御前栽畑」と第35景「隅田川水神の森真崎」です。

鐘ヶ淵駅を出ると西へ向かい、墨堤通りへ。


墨堤通りの西には都営白鬚東アパートの高層群が壁のように建っています。
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前回来た時には気が付かなかったのですが、団地と団地の間には閉じることのできる扉がついていました。
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防災壁だそうです。


白髭団地東側に広がる住宅密集地で起きた火災を白髭団地西側にある避難活動場所へ延焼させないため、白髭団地は10棟すべてが横につなぎ合わされているそうです。

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団地と団地の間にある梅若門。まるで現代の見附門・・・。
もちろん建物の壁面はシャッターが付いていて火災の時には下りるようになっています。

アパート群を西側から見るとまさしく壁。
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白髯防災アパートと呼ばれているようですが、なんとも異様な、ちょっと近未来的な光景です。
これから名所江戸百景、江戸時代を見に行くというのに、ギャップが大きいです。


気持を江戸百モードに戻すと、
第63景「綾瀬川鐘か淵」で来た時に見ましたが、鐘ヶ淵陸橋交差点のモニュメントには「木母寺内川御前栽畑」のレリーフと、地図が付いています。

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墨堤通を都営白鬚東アパートに沿って南に歩いていくと、
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梅若公園という小さな公園に、榎本武揚の銅像がありました。

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「榎本武揚像
所在 墨田区堤通2丁目26番3号 梅若公園内
 武揚は、天保7年(1836)下谷(現台東区)の通称三味線堀に生まれました。天性聡明で学問を好み、昌平黌で儒学を、さらに江川太郎左衛門の塾でオランダ語・英語を学びました。
 幕府の海軍伝習所が開設されると入所し、オランダ人教官より洋式海軍技術・蒸気機関・機械製等を習得、当時未知の学問であった化学までも学びました。
さらに文久2年(1862)にオランダに留学、国際法規も修めました。
 帰国後、軍艦奉行や海軍副総裁へと昇進、幕府海軍の柱となります。幕府が崩壊するや軍艦を率いて函館の五稜郭に拠り、薩長軍と戦いますが敗れて捕えられます。しかし、明治新政府内に彼の人物を惜しむ声が強く、明治5年許されました。当時難問とされた樺太帰属問題解決のため、海軍中将・特命全権公使としてペトログラードに派遣され、みごと交渉に成功します。
 その後、逓信・文部・外務・農商務の各大臣を歴任、枢密顧問官となり、功により子爵を授けられました。
 晩年は向島に住み、墨提を馬に乗って散歩する等悠々自適の生活を楽しみ、同41年に73歳で死去しました。
 隅田公園内の「墨堤植桜之碑」や多門寺の「毘沙門天」の標石等、武揚の筆跡が区内の所々に残されています。
平成18年3月 墨田区教育委員会」


いつになったら壁の向こうにある東白鬚公園にいけるのかと心配になりはじめたところで、西側へ抜けるゲート(先ほどの写真の梅若門です)へ行く道を見つけて東白鬚公園へ。


以前高校があった空き地の南、少年野球場の西側に木母寺があります。
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木母寺は、謡曲「隅田川」に登場する梅若丸を供養するため、976年に梅若塚と念仏堂が建てられたのが始まりとされています。
と言われても謡曲「隅田川」の筋を知らないので調べてみると、
平安中期、梅若丸が人買いにかどわかされて京都から連れてこられ、ここで病を発して死んでしまう。そこへ来合わせた僧中円が不憫に思い「梅若塚」を築いた。翌年、子供をさらわれ狂女となった母がわが子を探してこの地にたどり着き、幻の中で梅若と対面するというのが、「隅田川」の筋だそうです。
ちなみに寺の名は「梅」の字を「木母」と分けて書いたものとのこと。


ガラス張りの覆堂に収められた梅若堂。防災拠点内にあるため木造建築物が許されずこのような覆堂内に収められてます。
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般若塚は般若堂の隣にあります。その前にある鳥居はちょっと変な形ですが。


般若塚の隣には大きな碑が建っています。
天下の糸平碑

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これは高さ5m幅3mを超す都内最大の碑で、伊藤博文の書だそうです。、
そのほか、境内には壁に沿って三遊塚、題隅田堤桜花に詩碑などたくさん石碑があります。


さて、広重 名所江戸百景 第92景「木母寺内川御前栽畑」です。
江戸時代の木母寺は今の場所より少し東、東白髯公園内にありました。
隅田川から内川(入江)が入り込んでいて、第92景の題名にも使われている御前栽畑(徳川将軍の食事に供する野菜を栽培する畑)は内川の北側に木母寺は南にあって、般若塚は、団地の東側、榎本武揚の銅像のある般若公園内に昭和51年まであったそうです。


ということで、現木母寺の前から北の方を見て

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もう少し、東に寄ったほうがよかったかもしれませんが、グラウンドがあるのと樹木とアパート群が多くなるのでこの辺で。


野球場の練習を眺めつつ休憩しようかと思ったのですが、南の方に怪しげな雲がでてきたので、すぐに次の隅田川神社へ向かいました。

===スバル===