以前工場フェチ というエントリーに書いた「工場(のようなもの)への憧憬」というのを突き詰めていくと、"industrial"というキーワードと"Throbbing Gristle "にひっかかる。
学生時代には、僕も御他聞に洩れず、過激な「思想」であったり難解さに惹かれた時期があった。
そのころの僕はといえば、それまで熱中したHard Rock/Heavy Metal熱が一気に冷め、その頭の悪さ(極めて失礼な発言ですが)に辟易し、"industrial music"に急速に接近し、ドップリ浸かった。
とは言ってもインターネット前夜の1990年代中ごろ、情報源も極めて少なく、今は亡きペヨトル工房の「銀星倶楽部」や秋田昌美氏(Merzbow)の「ノイズ・ウォー―ノイズ・ミュージックとその展開」なんかをむさぼり読み、西新宿のKURARA RECORDS(現在は…?)やLOS APSON ?で視聴させてもらったり。当時は怖いもの知らずでいろいろな危険な音を耳にしていた。
industrial = noise とも言える様に(事実、当時の多くのCDショップでのジャンルは「noise/industrial」であった)ノイズがメインのSPKやWhite Houseなどの高周波で爆音のノイズ等を長時間聞いていられるわけもないんだけれども、その中にも心地のよいノイズであったり、工場音とでもいうべきものがあったりして、その追求に心血を注いだ学生時代(暗い…(笑))。
もちろん一方では、マンチェスターに始まるUK INDIEや、初期の渋谷系な音にもハマっていたのも事実。
…自分の耳の快楽原則に忠実な動きというか(笑)
industrial musicと呼ばれるものは、Wikipediaのindustrial ですばらしく整理されているので引用すると、
>>パフォーマンス集団スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle;脈打つ男根の意)が、The Second Annual Reportのジャケットにて、INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLEという言葉をスローガンとしてあげたことがその語源。
>>本来のインダストリアルは、過激なスローガンを掲げ、メタルパーカッションやドリルやチェーンソーなどといった身の回りの道具を楽器として多用したEinstürzende NeubautenやTest Dept.、Z'ev、また、攻撃的な高周波数の音を操るSPK、White Houseなどがあげられる。
>>その後、この語源が米国に渡り、Ministryに代表されるインダストリアル系バンドへと形を変えていくことになる。
現在のインダストリアルといえば、Nine Inch NailsやFear Factoryのようなデジタル系スラッシュメタルが思い浮かぶが、それは商業大国である米国の中で大衆向けに変化したもので…
(※ 一部順番の入れ替え・カナ部分の削除を行っています)
その流れに沿うように、本来の"industrial"と現在のいわゆる"industrial metal"にもドップリ嵌ることになる中で、その語源でもある伝説のカルトバンド"Throbbing Gristle"を耳にすることになる。
その呪術的なボーカルや冷たいシーケンス・ビートや意図的に破壊されたリズム、キチガイじみたパフォーマンスの話などを見聞きして、えらく恐ろしい集団のおどろおどろしいパフォーマンスという認識が強く。。。
(※ 正直言ってここちよい"industrial"というのもかなり少なく、大部分は気持ちよく聴くことは出来ない代物であるのも事実。当たり前だが。)
(※ Lou Reedがリリースした"metal machine music"という全編ハーシュノイズの作品もある。聞きたい方はぜひ。)
愛聴盤…と言えるものではないが、それでも"greatest hits"・"D.O.A"は極たまにプレーヤーにのせることも。
- Throbbing Gristle
- Throbbing Gristle's Greatest Hits
- Throbbing Gristle
- D.O.A: The Third and Final Report of Throbbing Gristle
industrialへ向かう熱はいつの間にか、industrilaに影響を受けたalternativeと呼ばれる音であったり、techno/minimal/ambientといった音に向かうようになる。
…
そんな中、UPLINK よりメールが届く。
(※以下引用)
ス
ロ
ッ
ビ
ン
グ
・
グ
リ
ッ
ス
ル
の
過
去
と
現
在
─ インダストリアル・ミュージック再考(TGの新作映像上映あり) ─
期間:12/18(月)~12/30(土)
会場:UPLINK FACTORY
http://www.uplink.co.jp/factory/log/001606.php
(※引用ここまで)
上記イベントはアルテクニコ( www.artecnico.com )の企画によるもの。
これを観るのが10年ぶりに訪れるUPLINKの "FACTORY"
というのが、また妙な符号に感じる。
アルテクニコさんの解説・質疑応答に続いて
『Throbbing Gristle - RE~TG at the Astoria Theatre London 2004』
Sunday May 16 2004 に Astoria, London で行われたThrobbing Gristle(以下TG)の再結成ライブ映像を観る。
Industrial Recodsのクレジット。。。
コレを観ただけで、もう感無量。
"工場フェチ"な感覚の原点はコレなのだろう。
とはいえ、過去にThrobbing Gristle(以下TG)並びにIndustrial Recodsの映像作品を観るのは始めてである。
ということは、既視感か。。。
liveの観客は年齢層が高い。TGの活動期間は、1975~81年だから、そりゃそうだ。(…というか、1975って自分の生まれた年だ。。。)
普通のおっさん、ニューウェイブ経験者(みたいなの)、パンクスだったり、女装ゴスだったり、クラバーだったり。完全にイっちゃってるショッキングピンクのパンクねーちゃんとか。。。
Peterがガチムチ親父になって、 Chris…年取ったなぁ。。。
Cosey…あれれ?、と思ったら女装したGenesisだった!!!
赤の革ジャンが強烈。女装といいうよりも間違いなく胸のふくらみがあったので転換してしまったのか。あれれGenesisって結婚してなかったっけか。
そして、Cosey…年とったけど本当に美しい枯れ方を(失礼だけど賛美)。。。
nothing gonna change … と歌うGenesis。
Genesisが革ジャン脱ぐとヘソ出し(!)の真っ赤なビスチェ(!)にミニスカート(!)そんで弛んだ腹(笑)汚い(笑)!!!
呪術的なビートや、不安定なリズム、効果音をどうやって起こしているのかが画面から伝わって来て興味深い。
一方でPeterとChrisがMacを眺めて「どれどれ」みたいな感じで話し合っていたりと、TGのライブでこんなにのんびりした光景がステージで観れるとは思わなかった(笑)
Coseyのトランペットから始まる、minimal meets freejazz のような曲(Genesisのバイオリン!)から、徐々に客席もトランス状態に。
元祖テクノと称する向きもあるように、またTG後にメンバーが行っていたバンドPsychic TVやCoilなどの打ち込みによる方向性を消化した音が主導権を取る。
…ってか、すげーーーー楽しそうなんですけども!!!!
今度は生で観たいなぁ。。。
(※ 最終日、僕の前にいた方は鈴木慶一さんだったらしい。とある方の日記で判明。ビックリ。ミュージシャンズ・ミュージシャンでもあるのは納得)
(※ 上記以外に、2004年に亡くなられたCoilのジョン・バランスの追悼するプログラムや、Peterのトークショー、Merzbow(秋田昌美)+Hair Stylistics(中原昌也)のライブも行われたもよう)
(※ PeterChristophersonは新ユニットesplendor geometricoのliveで4月に再来日予定とか)
(※ アルテクニコから4/1に『Part2 Endless Not』のリリースが決定されているもよう)
しかし、"あの"(←と言わずにはいられない)TGのそれも再結成ライブを、こうして観ることができることになるとはなぁ。。。しみじみ。
■Official Web Site of Throbbing Gristle
http://www.throbbing-gristle.com/
■Genesis P-Orridge (公式サイト)
http://www.genesisp-orridge.com/
■We Hate You / Throbbing Gristle(ファンサイト)
http://www.funk.ne.jp/~tx/throbbing-gristle/
■Wikipedia - Throbbing Gristle
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B9%E3%83%AB
■Wikipedia - Industrial
■全盛期のlive映像 YouTubeより (Throbbing Gristle - Discipline)
http://www.youtube.com/watch?v=JPctNq3W9Uo
■Astoria, London Sunday May 16 2004 のライブの模様
http://www.starvox.net/photos/throb/throb.htm
■(※ 音注意)


