​【前説】夢か幻想か実力か


昨シーズン、広島にまさかのシーズンダブル。

かと言って良いイメージがあるかと問われれば、決してそんなことはない。

それ以前の負債が大きすぎ。


今年の広島はしっかり強い。

ここまで唯一の無敗、4勝6分で3位につけている。


昨シーズンの結果は実力だったのか、それともただのまぐれにすぎなかったのか。

今日、その答えを見せて貰おうじゃないか。


絶対にこの試合は勝ちたい。

奴が下を向く姿を見たい訳ではない。

新潟の選手の笑顔が何億倍も見たいんだ。


並々ならぬ思いがある試合、全部ぶつけよう。



  ​【試合】No dirty, No football.



Hello, BIGSWAN.


だからあちいって。

まだ5月やぞ、何考えてん。



今日こそは勝ちましょう。


雲ひとつない晴天のGW開催。

3万人入ると、また雰囲気が何段階も変わるんだけどなあー。



アップ開始。


新潟は、前節からスタメンを5人変更。

前線の4枚を総入れ替えし、トップに小野裕二、2列目にはせもと、考司さん、シュウが入って、CBには遠藤が起用された。


広島は、大迫、佐々木ら代表経験者を始めとするバックネームがスタメンに名を連ねる一方で、大橋は怪我の為離脱し、ピエロスソティリウが起用された。

元新潟の、川浪、野津田はベンチスタートで、奴もベンチに入っている。


川浪と野津田には拍手、奴には特大ブーイングってのが、ビッグスワンのリアクション。


選手がアップに出てきた際、広島サポが

広島の男 新井直人 俺達と共に

という手書きの幕を掲げた。


これが引き金となり、新潟のコアサポが広島のスタンドへカチコミに行く事態に。


聞くところによると、試合前に両クラブ間で奴に対する幕は出さないという取り決めをしていたにも関わらず、広島側が一方的に破った為、新潟側が激昂したというのがこの騒動の顛末と言われている。

真偽は分からないので、行為の是非は判断できないが(暴力を肯定する気は微塵もありません)、警備員の静止を振り切って幕を掲げた行為は事実なので、広島側が原因を作ったのは間違いないのではないか。


個人的には、煽り幕とか全然歓迎だし、相手サポへの配慮とかは全くいらないと思っている。

ただし、そこに取り決めがあったのなら話は変わってくる。


煽り幕を出されたくらいでカチコミに行くような集団じゃないことは知っているので、一サポでは知り得ない何かしらの事情があったのだろうと推察する。


いずれにせよ、全ては奴が作った因縁。

全て奴が悪い。



話が逸れたが、広島サポは700人くらいかな。

緩衝帯越しに言い合ってる集団が見えますね。


選手入場が終わり、前半は広島ボールでキックオフ。


前線4人を入れ替えたことにより、迫力が増した新潟。

5分におのゆ、13分にはせもとが立て続けにシュートを放つ。

得点こそ奪えないものの、流れは悪くない。


広島もソティリウにボールを集めゴールは迫るが、小島を中心とした守備陣は崩せず一進一退の攻防が続いていく。


しかし、28分、宮本の顔面に相手選手の足がぶつかり、宮本はそのまま負傷交代。

さらに、その5分後には早川がVARチェックの末レッドカードとなり、その後の試合を10人で戦うことを余儀なくされる。


余談だけど、OFRの後のイエロー取り消しで湧くのいつまでやるんすか。

VARがポッシブルレッドカードでOFRをレコメンドしてるのに、イエローが取り消されてノーマルファールになることはあるわけがないのに。


10人になった新潟は、既にイエローを貰っていたシュウを下げて星雄次を投入。

LSBに雄次くんが入り、4-3-2の形で陣形を作った。


なんとか前半は0-0でしのぎ、HTに修正を試みる。



試合運びも流れもここ数戦では1番良かったものの、自分達で首を絞めてしまったという印象。

負けたくない、勝ちたいという気持ちが空回りしてしまっているように見えた。


いつになく殺伐としているスタジアム。

状況は厳しいけど、厳しくなればなるほどスタンドは一体感を増していた。


このまま終わらない、そんな予感がした。


後半は新潟ボールでスタート。


広島がボールを握って試合を進めていく。


集中した強度の高い守備の構築に加え、人数のアドバンテージを活かせていない広島の単調な攻撃も相まって、流れの中からゴールを割らせない。


66分には3枚替えを行い、厳しい状況ながら点を取りに行く姿勢を見せる。


しかし、守備陣の奮闘も虚しく、70分にCKから荒木に決められる。

1人少なくなってから40分弱耐え続けていただけに、あまりにもったいない。


その後も、同点を目指しゴールを狙いに行くが、1人少ない状況で思うような攻撃を形作れない。


このまま敗戦かと思われた94分。

長倉のキープからダニーロが抜け出しクロスを上げると、DFに弾かれたボールは高木善朗の前に転がる。

それをダイレクトで振り抜くと、ゴール右下に吸い込まれ、土壇場で1人少ないながら追いついた。


残された時間は少なく、1-1の同点で試合を終えた。


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よくやったと思うよ。


絶対に負けたくない気持ちが空回りして、自分たちで首を絞めることになったけど、どんな逆境でも諦めずに戦ってやりきる。

そして、ゴール裏も最後まで諦めずに声を張り上げる。

この情景を見て、若かりし頃の俺はこのクラブの虜になった。


勝ちたかった、心から。

でも、今日に限って言えばそれが全てじゃない。

このクラブのアイデンティティは死んでなかった。

それが見れただけでも、俺は満足でした。



まだまだやれるさ。

ここからよ、ここから。



ゴール裏も来れねえような糞メンタルビビりだから逃げて広島行ったんやろうな。

二度と新潟踏み入れるな、代表などと戯言ほざくな。

このクラブのサポは、日本で一番郷土愛の強い集団だってこと忘れんな。

お前は”新潟”を汚したんだ。

こっちだって相応のリアクションする権利がある。


フットボールは綺麗事じゃ語れねえんだよ。



  ​【後説】新潟の男の意地


最低限であり、最大限の結果。

これ以上の結果を望むのは良くないなと。


レッドが出るまでの試合運びは、凄く期待の持てるものだった。

それだけに、惜しいし悔しい。


勝ちたかった気持ちはみんな一緒だった。

ここで虚仮にされてるようじゃ男が霞む。

この日は結果以上のものを見た気がする。

諦めない気持ちと新潟の男の意地。


これが愛される選手。

これが漢。


どっかの逃げ腰とは違えんだ。


まだまだ終わっちゃねえさ。

逆境に立ち向かえ、新潟の男たち。



2024.05.06   投稿

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〈次回更新予定〉2024.05.11 J1第13節 新潟vs浦和