​【前説】初顔合わせ


今年から、ルヴァンカップはJ1からJ3までの全クラブが参加するトーナメント方式へと生まれ変わった。

いわきFCとFC大阪の1回戦は、いわきが競り勝ち2回戦へと駒を進めた。


いわきFCは今年でまだ創設9年目ながら、J2で戦うクラブである。

新潟とは過去対戦がなく、このルヴァンカップが初の顔合わせとなる。


個人的には、ちょっとした縁があって、いわきFCの創設時近くから存在自体は知っていた。

豪勢なトレーニング施設を擁しているとはいえ、あの時まだ県リーグ所属だったチームがJリーグに参入し、ついには新潟と試合をするとは思いもしなかった。

ほぼ毎年昇格を果たしてきた結果、スタジアムの施設整備が追いつかないという異常事態に陥る、とにかくすげえクラブなわけです。


新潟は3月の名古屋戦以来勝利なし。

この試合で、悪い流れを一蹴したい。

格下といえども、勝利という結果が最高の起爆剤になる。


ルヴァンも大事なタイトルだし、その一歩目としてはずみをつけたいところ。



  ​【往路】憎や恋しや塩谷の岬


4月16日、20時すぎ。

もう春らしくなったどころか、暑すぎるくらいになった。


今回の行程は、16日の夜に友人と車でまずは長岡へ。

実家で仮眠をとり、17日の朝いわきへ向けて出発する。

試合終了後は、夜通し車で下宿地の富山まで帰るという流れ。


相も変わらず観光度外視の弾丸遠征だが、目的は試合観戦なのでいいんです。



21時に富山出発。

ひたすら8号線を東へ進む。


日付が変わった1時半頃、長岡の実家に到着。

この間ずっと寝てたので一瞬でした。

実家で数時間の仮眠を取る。



翌朝7時前、長岡を出ていわきへ向かう。



栃尾を貫いて馬下から国道49号に入る。

あとはひたすら真っ直ぐ進む。



福島県突入。



磐梯山は雲隠れ。

一時雨予報も出てたので、降ってないだけよしとします。



12時半くらいに、ようやくいわき駅前に到着。

県境までは近かったけど、そこから長かった。

浜通りは新潟の真反対だもん、そりゃ遠いわな。



昼食を食べるため、おすすめされた喫茶店BREAKに来た。



店内はこんな感じ。

落ち着いた感じで雰囲気良いですね。

さぞ上品な食べ物が出てくるんだろうなと期待値が上がる。


結構メニューも豊富だったが、コーヒーゼリーとシナモントーストにした。



これがコーヒーゼリー。



シナモントースト。

おい、どこが上品なんだよ!

上品じゃないってのは語弊があるけど、まさかのパワー系ランチ。



見てくれよこの大きさ。

一斤だぜ、一斤。

コップが小さいわけじゃあないですから。

とにかくでけえ。


こんだけでかいのに味もいいってのが、これまたまいったね。

この大きさに合わせてだいぶ濃い味付けがされていて、ちょうど良い具合に収まる。

すっごい甘いし量も多いのに、全然飽きずに食べられた。


コーヒーゼリーは一切甘味のないブラック。

付いてきたガムシロかけた方が好みだったかな。

あと、なんとなくわかると思うけどゼリーもでかいっす。

スプーンと比較すれば分かると思う。



腹がパンでパンパンに膨れた後は、いわき駅を少し散策。



とくに何かがあるってわけじゃなかったけど、いわきFCの看板やのぼりが至る所にあった。



駅前。

なんの変哲もない地方都市です。

ペデストリアンデッキで駅と各施設が接続されている。

おもしろみはないけど、生活するには間違いなく困らない。



食後は海岸線まで行き、塩谷埼岬を目指す。

ハワイアンズとかアクアマリンふくしまを訪れるには時間が足りなかった。



浜崎あゆみと強い繋がりがある。

ここ塩谷埼岬は、『みだれ髪』という楽曲で歌われている。

といっても、浜崎あゆみについてはほとんど知識がないので、それ以上のことはなんも分からない。



岬の上には灯台がある。

中にも入れるようだが、入場料がかかるので今回はパス。



岬の上から太平洋を望む。


ただ雄大という感想だけを持つことは出来ない。

13年前、この海が悪魔と化し多くの命を奪ったことは、未来永劫風化させてはならない出来事である。



永遠のひばり象と灯台。

台座からは音楽が流れる仕様だったようだが、ぶっ壊れたままだった。


さあスタジアムへ行こう。



  ​【試合】結果が全て





初めてきました、いわきグリーンフィールド。

今はハワイアンズスタジアムか。



入場。

今日はここから。


小さいスタジアムですね。

収容人数は約5000人、屋根は無し。

アウェイ側スタンドだけ芝生席となっている。

条件付きとはいえ、これでJ1ライセンス付与されるんだからよう分からん。



スタグルを漁りにメインスタンド裏の広場へ。





20店くらいありましたかね。

全然数えてないので微妙ですけども。


それにしても品揃えが尖りまくってる。

オリーブ茶に、サーターアンダギー、カニパエリア等々。

ただ、結局何も買わずに帰った。



いわきサポ「闘い貫き歴史を刻め」



アップ開始。

スタメンは安定のターンオーバー。

GKは阿部ちゃん、DF右から巧、千葉ちゃん、稲村、りーた、MFはダニーロ、星、島田、シュウ、そして長倉と帰ってきた考司さんの2トップという4-4-2のシステム。

古巣対戦の宮本はベンチスタート。


いわきの方も、リーグ戦からターンオーバーしてはいるものの、リーグ戦での主力メンバーも所々名を連ねた。



選手入場。

いいっすねえ、”新潟”の心臓宮本英治。

ここで掲げることで、含意が何倍にも膨れ上がる。


新潟ボールでキックオフ。


開始早々5分。

ダニーロがカットインからミドルシュートを放つが、キーパーに弾かれる。

それでコーナーを得ると、ゴール前の混戦からこぼれ球を巧が振り抜き、クロスバーを叩いてゴールに吸い込まれた。

幸先よく先制に成功する。


19分には、いわきゴール前で交錯があり、杉山と考司さんが頭同士をぶつけて試合中断。

考司さんはプレー続行出来たものの、杉山選手は脳震盪の疑いで交代を余儀なくされた。

この後試合中に救急車で搬送されていたので、何もないことを祈る。


試合はいわきが主導権を握り続けていた。

何度も仕掛けてくるが、最後の局面はやらせずに耐え忍ぶ。


38分、りーたが負傷。

早川に替わる。


45分には、いわき石田が高い位置でボールを奪うと、そのまま持ち込みシュートを放つ。

これは、阿部ちゃんが弾き得点は与えない。


スコアはそのまま動かず、新潟1点リードで前半を終える。



ここまでは、完全にいわきの試合。

最後の局面での集中力と、相手のミスで助かっているだけ。

格の違いを見せるどころか、このまま行けば2回戦突破も危うい。

力蔵さん、腕の見せ所ですよ。


後半はいわきボールでスタート。


立ち上がりからいわきが猛攻。

なんとか耐えていると、52分にダニーロがゴールを狙うがキーパーに阻止される。


55分、今度はいわき近藤にゴールに迫られるが、枠を掠めていった。


その後もいわきのワンサイドゲームとなり、いわきが一方的に攻め続ける展開が続く。

リードしてるのに怒号が飛ぶ始末。


63分に、ダニーロ、長倉に替え、小見ちゃん、海斗を、77分には、星、シュウに替えて、秋山、松田をそれぞれ投入。

ようやくリズムを作り出せるようになったのが、この交代が終わってからだった。


最後の局面でやらせない集中した守備により、1点のリードを守り抜き迎えた後半AT。

海斗が相手キーパーのミスを突き、無人のゴールへ勝利を決定付ける追加点を流し込んだ。


この後も海斗に決定機が訪れたが、それはゴール左を掠めて外れてしまう。

欲を言えば、あれは決めてくれ。


落ち着いてゲームクロージングを行い、苦しんだ試合を0-2で辛勝。





よく勝った。

まじでよく勝った。


内容はゴミ。

でも良いのよこれで。

勝ちが全て、結果が全て。


このゲームは完全にいわきのものでしたよ。

1歩目の早さから何から何まで、内容はいわきが圧倒していた。

いわきがJ1ですって言われても、誰も疑問持たないんじゃないかってくらい。


しかし、内容で圧倒していても、いわきはこれでトーナメントから消えた。

一発勝負のカップ戦。

どんなに汚くても、泥臭くても勝たなきゃ意味がない。

100か0しかないんだよ。


だからこれで良い。

これ以上の結果はない。


内容も悪かったけど、良い面もあったしね。

りーたは残念だった、次に期待。

稲村は良かったねえ。

リーグ戦絡める活躍だったと思います。

巧が報われたことも嬉しかった。


チーム内に序列が出来始めてるけど、それをぶっ壊すぐらいの心持ちでやって欲しいね。

可能性を感じられる選手が沢山見れた試合でした。


あと、J2の頃からこういうフィジカルゴリゴリスタイルのチームにとにかく弱かった。

岡山とか秋田とか。

なんとなく難しい試合になるってのは予想出来てただけに、格下ではあるけども少しは自信になる勝利だったんじゃないかと。


いい試合でした!

ルヴァン獲ろうぜ!!



少しは金落とそうと、いわきFC缶日本酒を買った。


また来るぜハワスタ。

そんな日が来るか分かんないけど。


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  ​【帰路】苦にならん


勝った後なんて、いくらキツイ移動でも耐えられる。



まあ来た道帰るだけなんで、行程はカーーーッツ!



起きたらすっげえ霧。

どこぞの山の中かと思ったら、見附じゃねえかよ。



山岡家で栄養補給。

不味くはないけど、好んで食べたい味でもないですね。


ここから運転して、明朝6時に富山到着。
弾丸遠征終了。



  ​【後説】春宵一刻


結果が全てのカップ戦で、しっかりと勝利を収めてくれた。

格下相手に勝つのは当たり前と言われればそうなんだけど、それって意外と難しい。

そこはしっかり評価すべきだと思う。


いい試合だった。

選手たちのとにかく勝ちたい、何としても次に繋げたいという気持ちが見えた試合。

それで十分。


綺麗に勝つことだけがフットボールじゃないからさ。

泥臭く、貪欲に勝ちに行く。

それでいいんじゃないの。


その気概があるなら、間違いなくこのクラブは頂点獲れる、そう思いましたとさ。



2024.4.20 投稿

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〈次回更新予定〉2024.4.27 J1第10節 アルビレックス新潟vsFC東京