誰にも届かない声で、それでも誰かに届いてほしいと祈りつつ、声を上げるクジラ。
決して群れにはなれない彼女たちは、孤独の中でもがき苦しむ。
幸せを探し、人の温かさを求め、放浪する。
孤独の中にいると、些細な優しさが、たとえそれが欺瞞であっても光に感じる。
周りの人たちが狂うのは、自分の所為か、それとも偶然か。
そんな環境の中でも、同じ波長の声に出会うことができる。
そう教えてくれる物語。
孤独に苦しむ人が1人でも救われますように。
優しく苦しい作品でした。
(是非、文庫本カバーの裏もお読みください。)