附則ってなんなんですか。

 

 

 

法令の本体は、本則と附則でできています。

本則とは、附則以外の部分でいわゆる主要部分のことです。

 

附則は、本則に附随して、その法令の施行期日、各規定の適用関係、経過措置などが規定される附帯的部分のことです。

 

 

ですから、法令の一部改正が行われると、

例えば、令和4年の法人税の一部改正法では、 

改正法の本則と附則があり、本則部分は既存の(今生きている)法人税の本則にとけこんでいきます。(外国では、とけこまない方式がとられているところがおおいらしい。)

 

 

そうすると、既存の法令のある条項は、改正され、または削除され、追加されていき、本則は、その施行と同時になくなってしまいます。

 

あとは、とけこまなかった、改正法令の期日や経過措置の附則だけが残ることになります。

 

 

たとえば、令和4年の法人税法の法規集をみると、本則が一つだけ記載されていますが、これが、今生きている法人税で、前年の(改正前の)法人税に本則がとけこんだ本則が記載されています。

 

 

そして、その後ろに本則がとけこんでなくなった附則が改正ごとに延々と記載されています。

 

 

つまり、とけこませなければ、一冊の法規集に改正ごとの法人税法が記載されることになるのです。

 

これは、一枚一枚の改正法が積み重なっているお菓子のミルクレープのイメージです。膨大な量になります。

 

 

とけこんだ法規集のイメージは、このミルクレープのまん中を 圧縮して薄くして、その周りに層になったクレープが膨らんでいる状態です。

 

 

ですから、過去の行為時の本則を知りたければ、とけこみ前の本則をみないとわかりません。

 

 

しかし、その行為がどの時点の改正法人税にあたるのかは、附則を見ないとわからないのです。

 

そして、とけこみ前の法人税の呼び方は、令和〇年〇月法律第〇号による改正前の法人税といい、単に法人税法というと今生きている法人税法を指します。

 

 

例えば、令和4年3月31日法律第4号で改正された法人税法は、現在生きていますので単に法人税法といい、

 

この後、令和5年に改正されれば、令和5年〇月〇日法律第〇号による改正前の法人税法といいます。

 

 

さらに、第1条で、「この法律は、令和3年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。」として

 

その掲げる条文が規定されていますので、今自分が知ろうとする法人税の条文がその各号のどこに規定されているか探すのです。

 

 

なければ、4月1日となります。全部読んで探すのは大変なので、改正適用一覧をみて探します。

 

 

特にタックス・ヘイブンについては、一部の項だけが改正され、施行日が異なっていたり、 特定外国子会社と親会社の施行日が異なっていることがあり、かなり大変です。

 

 

では、消費税法第64条第1項第2号に規定する偽りその他不正の行為により還付を受けたのが改正後で申告したのが改正前の場合は、どちらの法律により罰せられることとなるのでしょうか。

 

 

つまり、悪いことをしたのは、偽りの申告書を提出したときか、

法定納期限を経過したときか、還付を受けたときか。

 

 

答えは、還付を受けたときが、既遂の時期となります。

 

ちなみに、納付の場合は、法定納期限を経過したときとなります。