1986年の秋

イギリスで4位のヒットになり、

翌年、アメリカでも6位

(アダルト・コンテンポラリー・チャートでは1位)と大ヒットした。

 

「Breakout」

 

 

 

 

スウィング・アウト・シスター

男性2人、女性1人のトリオ。

 

デビューアルバム

「It's Better to Travel」も大ヒット

(全英1位、全米40位)

 

 

 

 

彼らの登場は新しい時代の象徴だった。

 

というのも、米英の音楽は必ず、

その時の社会と密接に絡んでいる。

 

1985年のプラザ合意で、

日本はバブル時代に突入。

 

イギリスはサッチャーによるビッグバン政策によって、

1987年頃からバブルモードに突入。

 

また1988年の映画、「Working Girl」に代表されるように、

80年代後半は“女性の自立”が台頭した時代。

 

日本でも“おやじギャル”なるものが登場した。

 

そんな時代に先駆けるように、

モデルのようなスタイルで

(実際にモデル出身だったけど)

洗練されたファッションに身を包んだ

ボブカットのオシャレな姉さんが

「自分の進む道を見つけたんだから、言いたいこと言って抜け出そう!」

なんて颯爽と歌う姿が新鮮だった。

 

 

まさに華やかな時代の幕開けにふさわしかった。

 

音楽的にも、ポップにジャズのエッセンスが入った新しく洗練されたものだった。

 

「Twilight World」(全英32位、全米31位)

個人的に大好きな1曲。

自分の好きな曲の10曲のひとつになる。

 

 

 

 

「Fooled By A Smile」

 

 

彼らの明るく、華やかな音楽は、

今でも色褪せず心地よい。

 

 

ただ彼らはもともと、ジャズクラブなどで演るスタンダードな音楽志向だったので、

セカンドアルバム以降、その色が強まるごとにチャートから遠ざかる。

 

また時代が、ブラックマンデー、バブル崩壊、湾岸戦争など暗い時代になり、

音楽もグランジのような“ボロの時代”に移ることで、

彼らの音楽は人々の気分と離れ始める。

 

質の高い音楽をやっていたんだけどね。

 

1994年発表の「The Living Return」の頃には、

イギリスでもチャートインしなくなった。

 

アダルトコンテンポラリーチャートでは引き続き支持され、

ジャズ系のラジオでも頻繁に取り上げられていたけど、

メインストリームからの関心は薄れてしまった。

そして

このままスウィング・アウト・シスターは消える運命になりかけた。

 

 

しかし、

それに待ったをかけた国が。

 

 

 

そう、

我らが日本!

 

1996年

テレビドラマの「真昼の月」の主題歌に採用された曲が、日本で大ブレイク!

 

「Now You’re Not Here」(日本1位)

日本だけで30万枚以上売り上げ

その年、日本で一番売れた洋楽シングルになった。

(他の国ではリリースすらされなかった)

 

 

 

 

 

日本での勢いは止まらない。

 

続く、「Heaven Only Knows」も1位

 

5曲続けて、洋楽チャートのトップ10ヒットをたたき出す。

 

「Somewhere in the World」(日本2位)

 

「We Could Make It Happen」(日本8位)

 

「Who's Been Sleeping」(日本2位)

 

何があったんだろうね、日本。

 

 

他の国では全然売れなかったけど、

日本だけはヒットが持続。

 

こうなると彼らも、日本仕様のアルバム制作など、日本びいき体制になる。

 

結局、4年も日本でブームが続いた。

 

 

なんか、日本人の琴線に触れたんだろうね、彼らの音楽が。

おいらも大好きだけどね。

 

2013年の「Private View」は

自分たちの曲をスタンダード調にセルフリメイク。

超渋い、今のスウィング・アウト・シスターを聴ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今でも彼らの音楽をかけると、その周りは

オシャレムードに包まれる。

 

 

 

 

最後に、もいっかい。

80年代後半、

世界中の女性を勇気づけた曲(歌詞付き)

 

 

 

 

 

 

 

 

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(おしまい)