神田界隈で有名なとんかつ屋。
もともと神田で一番人気は「勝漫」だった。
そこの揚げ手の名手だった松井氏が独立し、
「勝漫」のすぐそばに店を出すや、
多くの客も松井氏の店に流れた。
それ以来「勝漫」の味はバラつき、
客も離れていった。
ところが
順風満帆にみえた、
その矢先、
主人がガンで急逝。
奥さんが2代目として跡を継ぐも、
主人の神業には程遠く、
鉄人の味は失われた。
「やまいち」
この店のとんかつは、
一度だけ食べたことがある。
ものすごく美味かった。
とんかつにもピンキリがあることを知らされた店。
そんなに美味いのに一度しか行けてないのは、
とにかく値段が高い!
特ロースで¥2,000越え。
美味いに決まってる。
というか、
この値段で美味しくなかったら問題だ。
その後に起こった
主人逝去による評判の急降下もあって
この店は自分の視界から消えた。
そんな「やまいち」に久々行ってみた。
特ロースは高いが、その下のクラスのロースなら¥1,500程度で食える。
このロースはまだ食べたことが無い。
そのロースの到着。
普通、¥1,000を超えるとんかつには、
何かオーラのような、毅然としたものを感じるものだが、いたって普通だな。
まずは塩で食ってみる。
普通だ。
肉に柔らかみがあり、簡単に噛みちぎれるが、
ただそれだけだな。
高級とんかつにある、肉の甘味は感じない。
やっぱり特ロースとの差は大きいわ。
これなら、
あと少し頑張って特ロースにするか、
他の美味い店に行くかのどちらかだな。
名店の味は失われたままだった。
名手去る
舌の思い出
カツに見ぬ
やまいちや
ああやまいちや
やまいちや
...整いませんでした。
やまいち
東京都千代田区神田須田町1-8-4
03-3253-3335