3月末の閉店を前に、

この味を忘れないための

「いもや月間」の敢行中。

 

 

ここにきて「いもや」閉店の理由が明らかになってきた。

 

初代が亡くなって10年。

奥さんが跡を継ぐものの、

齢86歳と高齢になり限界に達したこと。

 

初代が

“ 美味しいものを安くお腹いっぱいに ”

との方針のもと、

良い食材、

良い米、

良い油

丁寧な仕込みにこだわり、

原価率50%を超える商売を続けるものの、限界に達したこと。

 

店員が朝から夜まで働き詰めで、

後継者が出てこないことなどが原因で

今が退き際と判断したそうだ。

 

これまで何気なく安いのに美味しいなと思っていたが、それも当然のことだったわけだ。

こんなことなら、もう少し足を運んどけばよかったなと、今更ながらに思った。

 

 

 

それはそうと、

今日は一番油の天丼を食うために、

開店前に行く。

あっ、既に先客が...

 

残念ながらポールポジションは取れなかったが4番目なので、

一巡目の一番油で揚げた天丼が食べられる。

 

それにしても、

あっちにも行列になっている店があるぞ。

あれはどこだ?

“要チェックや!”

 

なんだかんだで開店が近づくと、

自分の後ろの行列も伸びてきた。

 

 

まだかな、まだかな…

 

で、開店。

 

 

「天丼ですか?」

いつもの店員の声を打ち消すように、

 

「エビ天丼で!」

 

おおぅ、

久々の一番油にテンションマックスで、

注文にも力が入る。

 

 

ごま油の香ばしい薫りが店内に充満する。

 

これこれ、いもやの香り。

 

店内にも待ちの客の列がひしめく。

 

外の列は裏地に回って、

旧みっちゃんを超えて伸びている。

 

さすが、いもやの最終回。

自分のような“思い出侍”が多いわ。

 

 

そうこうするうちに、

天丼が白木のカウンターに置かれていく。

そして自分の前にも。

 

うーん、いい景色。

やっぱり一番油はいいね。

 

ピンッ!と尖ったごま油のパンチ。

 

香ばしい薫りと、カラっと揚がった天ぷらのサクサク感。

 

完璧に炊かれた、美味しい米が天つゆをいい感じに吸っている。

これぞ天ぷらの醍醐味。

 

この汁、

食感、

すべて味わい尽くす。

 

 

 

思えば、

この天丼が一番食べた天丼の気がする。

だからほかで天丼食べるときも、

ここを基準で旨いか、

そうじゃないか決めていたような。

 

いもやの天丼は自分にとって、

グリニッジ天文台のようなもの。

・・・

 

じゃあ、

その天文台が無くなったら、

どうするわけ?

 

複雑な思いをかみしめながら、

シジミ汁をズルズルッと。

 

もう少し余韻を楽しみたいのだけど、

後ろに並ぶ腹ペコさんたちの

急かすような視線がイタイ。

 

 

食べ終わって店を出る。

 

どちらの店も、

行列がさらに長くなっているぞ。

 

「とんかついもや」ものぞいてみたが、

店内にびっちりと並び、

外にまで行列になっている。

 

神保町の昼どきは、

 

こんな感じであちこち行列になり、

 

この界隈を歩く人たちに、

 

どの店に行くべきか教えてくれた。

 

これこそが神保町の風情。

 

 

 

 

...それにしても、

もう一つの行列が気になるな。

“要チェックや!”

 

 

 

天丼いもや

東京都千代田区神田神保町

03-3265-0921

 

 

掲載課金・採用課金型の本格的な求人サイトを構築【求人サイト基本システム】