「神田といえば?」
「蕎麦!」
そんなあなたは今の神田を知らない。
確かに神田に蕎麦屋は多いし、どの店も美味しい。
「ラーメン?」
「カレー?」
確かにそういう顔はある。
しかしここ数年、急速に勢力を拡大しつつある店がある。
それは、
「うどん」
あちこちに店が出現するだけでなく、そのレベルも高い。
有名なところでいうと「丸香」と「香川一福」。
この2店は東京でも一番旨いと評判の行列店である。
ただし私は“柔らかいうどん”にどうもなじめない。
やっぱりうどんは、硬くて太い方がよっぽど好きなんである。
顎のトレーニングでもしているかのような、あの噛みごたえ。
熱い汁に浸かってもへこたれない芯の強さ。
これこそがうどんの醍醐味だと感じている。
“硬派”と呼んでほしいくらいだ。
そんな自分を感激させる“硬派”な店が日本橋に昨年できた。
「ほし野」
天丼で有名な「金子半之助」の経営だ。
そして天丼同様、うどんの半之助も本気だ。
店構えが立派過ぎて一瞬ひるむが、大丈夫。
むしろこの日本橋で大丈夫か?と心配するくらいお財布に優しい。
なので、夜は晩飯代わりに食べている人が結構いる。
しかも女性おひとり様が割といる。
お薦めは「生醤油うどん」だ。
素のうどんに生醤油をかけて食べるだけだが、これが一番旨い。
サイドメニューも充実していて、
さすが金子半之助だけあって、天ぷらはどれも旨い。
胃もたれしない上品な天ぷらで、どれもいける。
しかしここにはサイドメニューの王がいる。
「ミニ牛めし」だ。
これがとにかく旨い。
すき焼きっぽい甘めのたれが柔らかい肉にしみ込み、ガンガンいける。
はっきり言ってこれだけでも勝負できる。
巷にある牛丼屋より、こっちの方が好きで、
これ目当てに通う客もいるくらい。
ただうどんと牛めしのセットは結構腹に来るので、
ここに行くと決めた日は、ランチ少なめにして調整している。
ミニ牛めしがヘヴィーだと思えば、「牛めしおにぎり」という手もある。
うどんにはスダチがついているので、これを絞ってうどんにかけた後は水のコップにドボン!
たちまちスダチ水に変身だ。
(これは絶対おすすめ)
あとネギと揚げ玉は個人の好みでどうぞ。
中盤に差し掛かったら、
備え付けのショウガを入れすぎないよう注意しながら味変かけて、後半を楽しむ。
「おいしい!」
この店は潰れてほしくないので、うどん好きはぜひ協力してほしい。
硬派なら大満足できるクオリティだ。
ほし野
東京都中央区日本橋室町1-11-2 松楽ビル1F
050-5592-8632