ハルイチバン |  ◎涼のどぶろぐ◎←つながり日記←

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風景というか心象というか、
好きなページを開き、
ゆっくりたどって、味わうような
掌短編みたいな日記。



強い風
ゴウゴウと

雨をふくんだ風が
耳をかすめて
ビュウビュウと鳴る


茶沢通りの遊歩道をジョギング。
寒くはない。

背中のにじむ汗に、春の微量が混じっている。
降りかかる水滴は、顔を打つ。



つぼんだままの桜が、ウズウズとしながら、枝をざわめかしている。まだ花びらをこぼしたくないのだろう。


ハルイチバン

あたたかくなれば、
すぐ満開だ。

スピードを緩めて
大鳥居の前につく
誰もいない公園のブランコが揺れている。
北澤神社の木々のざわめきに
取り囲まれると、雨が少しやんだみたいだ。

参道の石段をあがり

風に転げ落ちた柄杓を拾って、揺れる水をすくう、片手をすすぎ、手酌で口をゆすぐ。顔と首すじを濡らすと、大きい風がカラダを冷ンヤリさせる。


本堂の
ゆれる鈴を鳴らした。
バタバタバタと白い紙が震える。




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手を合わせてしばらく
ここだけ、静かだ。



石段から街並みを眺めると
古くからあるこの小高い社に立つ思いがする
五百年の昔より、ここから見晴らしてきたんだ

いや、この木々の丘はそのもっと前から、あったのか。


またゴウゴウと吹く。


枝の向こうに三軒茶屋のキャロットタワーのレンガ色が見える

大きく息を吐き出し、また走る。


石段を下り住宅を抜け、深厳寺の幼稚園を過ぎながら
遊歩道の小径に入ると






風がとまった


僕の呼吸が


走る音だけを、刻む。















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