梅風(うめかぜ) |  ◎涼のどぶろぐ◎←つながり日記←

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風景というか心象というか、
好きなページを開き、
ゆっくりたどって、味わうような
掌短編みたいな日記。


羽根木の丘の階段で

ちょうど
メジロが白梅の蜜をつついてた

冷えた風は春を抱えているらしいがまだ寒い。
公園の丘を砂ぼこりが走り抜ける。

砂にまじって紅梅の花びらが、飛び出す。

梅が咲いた。


世田谷の梅祭りだ


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枝にくくられた紙
「ここ富士山眺望所 → 」

風がしばらくやんだすきに、ふり返って富士をさがす。

そこから梅の枝々をすり抜け、昼下がりの建物と家々の先に、

今年も
富士は見えなかった。

ま、いつものこと。



「豚汁100円だよ-」
休憩所にも人はいる。時間もアレだし、少し安い。
「いっぱい入ってるよ」
あったまるし、食べよう

「ただしミニカップになります-」

ま、いいか。




おもてのにぎわいより

赤い花のうしろ姿をみるのが好きだ
透かした花びらの紅色が
鮮やかに燃えていた



古いギリシャの女詩人の唄


みめ貌(かたち)よき
人はただ
ひとめによしと、見ゆるなり、

正しき人ぞ いつしかに
またみめよくも
なりぬべし。(※)


きまじめな濃い赤の熱さは、
一所懸命に描いた
落書きクレヨンの太陽みたいな生命力。


豚汁が、あちい。


汁の湯気に
こまかいニンジン、豚肉と細い大根がここぞせましとポリエチレンの簡易なカップにおさまり、
割りばしからカブリつき、すする。



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また風が吹く

砂ぼこりを巻き上げる

人と梅が呑み込まれる



豚汁に
小さな紅梅の花びらが入る


動脈の血管みたいに燃える花びらだ。


もったいなく、


つまんで
口にいれると


ほのかに
春の香辛がする。








(※)サッポー(紀元前621頃~?)ギリシャ 「断章」呉茂一 訳
「顔かたちのよいヒトは、かたちいいなぁと人から見られるけど、心正しいひとは、いつのまにかかたちよい人を追い抜いてもっとうつくしくなっていきます」
苦悩する近代の詩人と違って竪琴に合わせて唄ってたギリシャ人たち、世界最古の女詩人サッポーも娘たちに舞踏や音楽おしえてたみたいだから、おおらかで楽しそうだ。









<つながり日記>

宵路梅(よみちうめ)

「女性よ」