ヒュンダイ(現代自動車)が日本乗用車市場撤退から10年ぶりに再進出することを決定し、実務担当組織を構成して、本格的な法人設立の準備に入った。早ければ来年から再び日本で乗用車を販売するものとみられる(※画像:ヒュンダイ パリセード)。


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10日、現代自動車グループの関係者によると、現代自動車は最近、日本乗用車販売法人設立のための「JBPタスクフォース(TF)」を発足したという。このチームは、この日から今年末まで運営され、現代自動車の現地販売網の構築と自動車市場の動向調査、マーケティング戦略の樹立など、日本市場再進出のための業務全般を担当する。
 

JBP TFは、現代自動車の海外事業を統括するイ・ウォンヒ社長直属でチャン・ジェフン経営支援本部長副社長がチーム長を引き受け、日本市場再進出を陣頭指揮する。現代自動車のグローバルマーケティング企画チームと国内営業戦略チーム、欧州・アジア・中東の分析チーム、インドアジア太平洋サポートチームなどはもちろん、キア(起亜自動車)もグローバル事業企画とブランドのプロモーションを担当する人材で構成された。

 

チャン・ジェフン副社長は、チョン・ウィソン現代自動車グループ総括副会長の最側近とされる人物で、現代・起亜自動車生産開発企画事業部長と現代HR事業部長などの要職を歴任。現代自動車が日本市場再挑戦にどれほどの大きな力を入れているかどうかが明らかだ。

 

日本市場は現代自動車にとって “辛い歴史” として残っている。 2001年から日本で販売を開始した現代自動車は2004年の2,574台を販売したピーク後、2005年に2,295台、2006年に1,651台、2007年に1,223台と、毎年下り坂を歩いた。 2008年にはわずか500台の販売台数にとどまってしまった現代自動車は、最終的に日本進出から8年後の2009年に乗用車市場から完全に撤退した。


現代自動車が日本で失敗した原因について、自動車業界では、当時の販売車種の数が足りず、競争力の面でも特別な強みがなかったのではないかという分析が多い。さらに、関税がついて価格も高かったことや小型車、軽自動車の割合が少なく駐車スペースが狭い日本の消費者を攻略するのが難しかっという意見もあった。

自動車業界では、現代自動車が日本車に比べて進んだ技術を持ったという評価を受ける水素電気自動車(FCEV)と電気自動車(EV)などを前面に出して「エコカーの天国」と呼ばれる日本を再び攻略する可能性が大きいという見方が出ている。現代自動車は、世界初の量産型FCEV(水素電気自動車)の "Nexo (ネクソ)" やグローバルEVハッチバックセダン  "Ioniq Electric (アイオニック エレクトリック)"、2019北米カー・オブ・ザ・イヤーSUV部門を受賞したコンパクトCUVのEV "Kona Electric (コナ エレクトリック)" などを販売している。

 

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日本政府は、安倍晋三首相の主導で、最近、積極的な水素経済の活性化に乗り出している。 今年6月28日に日本の大阪で開かれる「G20(主要20カ国)首脳会議」で、水素経済が重要な議題に扱われる予定である。

 

チョン・ウィソン現代自動車副会長は、G20首脳会議に関連するいくつかの公式行事に出席し、各国政府関係者に直接「ネクソ」を紹介する計画だ。日本国民の関心がG20首脳会議に集まった中で「ネクソ」と現代自動車の水素電気自動車の競争力を積極的に発表された後、日本市場で正式に販売を開始する戦略とみられる。

 

一部では、水素電気自動車、電気自動車のほかに、最近リリースしている様々な新型車も販売車種に含まれる可能性があるという見方も出ている。例えば、国内発売を控えた小型SUV「ベニュー」の場合、日本で人気が高い軽自動車と同様のサイズに、SUVの長所まで備えている。また、国内とは異なり、日本ではまだ軽自動車、小型車の人気が高く、新しい販路を開拓することも可能である。ここで、今年国内市場で絶大な人気を誇った大型SUV「パリサーセード」も、日産「パスファインダー」やホンダ「パイロット」などと同等の日本車と比較して落ちない競争力を備えたという評価を受けている。

 

現代自動車は今年10月24日から東京ビッグサイトで開催される第46回東京モーターショー2019【プレスデー(特別招待日:オフィシャルデー&障害者手帳所有者の特別見学日含む):2019年10月23日~24日、プレビューデー&一般公開日:10月25日~11月4日】にも参加する。日本の乗用車市場撤退後の東京モーターショーでは、バスなどの商用モデルのみを展示してきたが、今年は600㎡規模の単独ブースを確保して「ネクソ」を含むさまざまな乗用車を披露する計画だ。

 

自動車業界の関係者は、「現代車の現在販売ラインナップは、日本で失敗した10年前と比較するのは難しいほど多種多様になり、エンジン性能やデザイン、自律走行システムなどでも高い競争力を確保した」とし「価格など、いくつかの変数があるが、過去より成功の可能性は大きい」と述べた。