4月のたいめいるにて、
ご紹介している本はこちらです。
「赤めだか」
立川談春:著/扶桑社
実は数年前に購入していた本だったのですが、
今度ドラマ化されるとのことで、
まずは自分自身の感覚で感じたいと慌てて読みました。
最近では、ドラマなどにも出演されている談春さんですが、
やはり落語のような語り口の本で、
とてもテンポがよく、あっと言う間に読み終わってしまいました。
この本を読んで、
芸の道の大変さを改めて知る事ができました。
現代においては、「ブラック企業」などと、
職場環境の善し悪しをいうことがありますが、
この芸の道には、
それではすまないようなエピソードがたくさん出てきます。
談志さん曰く「修行とは矛盾に耐えることだ」
という言葉にすべてが集約されていると思います。
家事の指示たるや、
どうあっても覚えられないようなスピードで畳み掛けてこられて、
これが日々のこととなると、
パニックになるのもわかる気がします。
実際、半年で辞めてしまったお弟子さんもいました。
ただ、この本の冒頭で、
中学卒業間近に上野鈴本へ落語を聞きに行った時、
立川談志さんの言葉を聞くシーンがあります。
そこで「落語とは人間の業(ごう)の肯定である。」
という言葉が語られます。
忠臣蔵で敵討ちを取った英雄よりも、
逃げ出してしまったダメな人たちを
主人公とするのが落語であると。
だからこそ、キッチリ何かが出来る事よりも、
先程のような「矛盾」と対していく中で、
どのように考え、
対応していくかを談志さんに鍛えられていたのかもしれません。
実際、この談春さんも
そういうダメな感じをたくさん見せつつ、
談志さんと向き合い続けます。
きっと実際には大変だったことだったことが、
この本の中ではそれが感動という大仰なものではなく、
話しとして「すーっ」と入ってきます。
まさしくこの本自体が「落語」のネタのようで、
読めば読むほど、人間って面白いものだなと思える一冊です。
