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連城さんの1986年刊行、割りと初期の短編集が、今年、宝島文庫より復刊されました。連城祭りなんでもちろん読んでみる。

いやこれ…
面白かったわ…

 

特に一編目の、「ふたつの顔」がものごっつい面白かった。連城さんにしてはシンプルな筋。なんですけれども、ラストまでに繰り返されるどんでん返し。ほんと凄い。

 

あらすじを纏めるのも大変なんですけど。著名な画家の男が、自宅でシャワーを浴びている。と、電話が鳴る。相手は警察で、「新宿のホテルで、あなたの奥さんと思われる死体が見つかった。確認に来て欲しい」と。画家は困惑する。「本当に妻ですか?」なぜなら、ついさっき、画家は自宅で妻を撲殺し、庭に埋めた所だった。シャワーを浴びてたのは、身体についた血や土を洗い流していたのだ…

 

この話の帰結がまさかこんな所に着地するとは。ってラストです。海外の暗黒ミステリを読んでいるかのような独特な文体。主人公が画家って言うのもポイント。このクオリティで一話目…。

 

で、表題作の「夜よ鼠たちのために」ですが、超絶技巧過ぎてこんがらがりました。こんがらがりながらも、ああこういう事か…と納得したと同時にどんでん返し。そうかそういう事か…と改めて納得したと思ったら更にどんでん返し。わたくしの単純な頭には難易度高過ぎました。しかしよくこんな話思いつくよなあ。

 

この二編以外も相当クオリティ高くもちろん面白かったんですが、どれもわずか40~50ページ足らずの短編なんですよ。それなのに、ラストまでに繰り返されるどんでん返し。それも無理矢理じゃなく、連城さんの文体マジックなのか、読まされちゃうんですよ… これ、試しに同じ筋を違う人が違う文体で、トリビュート的に書いてみたら、もの凄いグロテスクな小説になるよーな気がする。まあそんな酔狂な事は誰もしないが。

 

とにかく楽しませて貰った一冊でした。ホントに凄く面白いので、たくさんの方に読んで貰いたいです。んで連城さんの読者会やって語り尽くしたい。それくらい面白いです。読めば読むほど、連城作品へのLOVEが溢れ、未読作品への思慕にぞもの狂をしけれな状態です。

 

まだ未読作品が手元にふたつある!やった‼