連城三紀彦さんとは、1948年生まれで2013年逝去された、ミステリーや恋愛小説を数多く執筆された作家さんです。
お名前は知ってましたが、作品は未読。
作家さんにファンが多い通好みの作家さん、というイメージ。男女のドロドロを描いているという印象も強い。
それが今回、
綾辻行人、
伊坂幸太郎、
小野不由美、
米澤穂信という、
ミステリー会のそうそうたる作家さんたちが.マイ ベスト 連城作品を持ち寄って選集を作ったという。
連城三紀彦さん本人よりも、選者の作家さんの名前に惹かれて手に取ったのですが。
連城さんの作品…
おも…おも…おも…
おもしろい ‼
選者さん達の作品よりめちゃくちゃ面白い。
ミステリーの腑に落ちる爽快感と、物語の情感が、何とも言えない一体感で融合していて、完成度が半端ない。
物語の動線となる伏線を論理に破綻なく張り巡らし、読者に違和感を抱かせず、物語の世界観に閉じ込める流麗かつ正確な文体。
いよいよクライマックスが来たかと思いきや、二転三転あらたな波が起きる翻弄感。
あらゆる伏線の意味が、一度目と全く違った意味で腑に落ちてくる気持ち良さ。
その流れが、論理が正確であればあるほど、何とも言えない切なさで彩られて小説になっている訳ですよ。
技巧的であればあるほど、人間の業が浮かび上がってくると言いますか。
ものすごくよく出来ている。
よく出来たものは、 人を感動させる。
フィクションを愛する人は、どこかで現実だけでは満足できず、人の手の入ったものを偏愛してしまう癖があると思うのです。
そういうフィクション愛好家さんにとって、抗えない魅力があると思う、連城さんの作品は。
いわゆる伏線があって回収して…の大衆小説のセオリーに極めて忠実に作られており、そういう意味では、連城さんの作品は、今の最先端の芸術小説とは真逆のベクトルなんですが。
そこがエンタテインメントとしてこの上なく魅力的で、逆に新鮮ささえ感じました。
私が小説とかドラマとか、創作物に求めるものがかなりの濃度で詰まっていて、すこぶる面白かった。
そして連城三紀彦祭りの火ぶたが切って落とされておりますワタクシの活字愛好生活のど真ん中に。
