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新潮文庫にして全6巻、宮部みゆきさんの中学校を舞台にした、2012年刊行のミステリー小説です。

その年の幾つかのミステリー大賞のかなり上位にランキングされてましたね。

 

更に2015年春に映画化も決定。主人公の藤野涼子役はオーディションで現役中学生が決まったとか。

 

あらすじはですね。
クリスマスイブの翌日、校庭に、中2の男子の墜落死体が発見される。彼は目立たない不登校生徒だった。
警察、親とも、自殺と断定。葬式が終わり、年明け、学校他三箇所に怪文書が届く。彼が、学校の不良かついじめっ子三人組に突き落とされたのを目撃した、と。

 

怪文書の存在を隠蔽しようとしたり、クラス担任が隣人から嫌がらせされて怪文書を捨ててた事にされたり、失策続きの学校。やがて、業を煮やした優等生、藤野涼子さんが、「学校内裁判をやって、不良三人組が犯人か、決着をつけよう!」と動き出す。

 

で、中学生たちの手作り裁判が始まり、事の真相が暴かれる迄のお話です。

 

いや~長かった。結末もほぼ予想が付くのに、読む事を止められない。さすがのリーダビリティ。

 

とはいえ、こんなに長いお話で、宮部さん、何を書きたかったのか。

 

「模倣犯」のピースとも共通しますが、宮部さんのヒールの作り方って、優越感をこじらせて自分は特別って思い込んじゃう頭の回転の早い人、って所に落ち着きますね。

 

頭よくないとサスペンスとして面白くないしね。

 

現実の犯罪の動機は、お金がらみがダントツ多いらしいですが。「火車」はそういう意味では、ホントよく出来た小説でしたよね。

 

お金以外の動機では、人の事バカにしてる人が、自分の人生が上手く行かなくてこじらせちゃってキレちゃう、っていうところに、宮部さんは、作家としての興味を持ち続けてるんだな、と。

 

圧巻だったのは、被告の悪男に、弁護士役の男の子が、普段の悪行の真偽を矢継ぎ早に問いかけるところ。

 

普段の彼が、周囲から殺人犯にしたてられるほど恨まれてた=殺人犯では無い、という事を立証するシーンでしたが。どちらの目的も果たす、迫力あるシーンでした。

 

確かにこの小説はやたら長過ぎますし、主人公の藤野涼子さんというキャラクターについて言えば、良い子過ぎて魅力が薄いという欠点もありますが。

 

犯罪や事件の芽が、優越や見下しの心から生まれるという、「模倣犯」から一貫した宮部さんのテーマの持ち方には、共感しました。

 

しかし六冊、よく読んだな…
(^_^;)