舟を編む/三浦 しをん

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やっと此処に辿り着きました、三浦しをん祭り。



松田龍平と宮崎あおいで映画化もされた、2012年本屋大賞一位の本作。



あらすじはざっくり、辞書作りに仕事人生を捧げた、ちょっと変わり者の会社員を主人公に、出版社を舞台にしたお仕事&恋愛物です。



言葉の海を航海するため、辞書という名の舟を編纂する。



言葉を大切にするしをんさんらしいテーマを掲げたタイトルです。



これ、女性誌のクラッシィ.に連載されていたんですけどね。…それが色々なことの元凶になったのではないかと想像するんですけどね。



これ、Amazonのレビューも平均点高めの、著者の中でも人気作なんですけどもね。





しをんさんの作品の中で面白い方かと言うと、うーん。



と、いう感じでした。



切り口やディテールは、さすがに面白いんですよ。素材は良い。



ただ、如何せん、お話が一本調子で先が読めるんですよ。



ならキャラクターが面白いか?成長してるか?と言うと、これまた主人公の馬締くん自体、あまり葛藤が無い。好きな仕事して、憧れの女性とアッサリ結婚して、編纂作業は大変だけどさほどの邪魔も入らないし。



これ、主人公を、馬締くんの同僚の西岡くん(チャラ男)にしたら良かったんじゃないかな… 西岡くん一人称パートはとても面白かったんですよ、色々葛藤してて。



香具矢さん(板前目指すヒロイン)と、馬締くんとも、ガチな三角関係で描いた方が色々深まったのでは。あくまで結ばれるのは、香具矢さんと馬締くんで良いからさ。ただ、西岡くんと香具矢さんの関係が、西岡くん主人公なら微妙なところで描けるんではないかと。古い映画の「明日に向かって撃て!」の、ブッチとサンダンスとキャサリン・ロスみたく。自転車で恋人同士でない方の男女が二人乗りみたいな。



とどのつまり、「舟を編む」は、色んなことがアッサリし過ぎで物語としては物足りない。しをんさんの本屋大賞一位が今作なのが意外。



で、この作品の出自がクラッシィ.だったということで、色々しをんさん的に考えられたのかな~?と。



クラッシィ.という雑誌の読者は、ほとんど読み物を求めてないと思う…雑誌内文字数が極めて少ない媒体なんですよクラッシィ. は。これがCREAだったら分かるんだけど。



なぜクラッシィ.の編集さんは、わざわざ小説連載しようと思ったんだろ?

連載始まった当時、わたくしとても不思議でした。



とはいえ、しっかり本屋大賞一位を獲得して映画化もされてますからなぁ。当時のクラッシィ.編集部の方は、持ってますよ。新潮さんや文春さんは、かなり悔しかったのでは?





という舞台裏をアレコレ想像してしまいました。



わたくしはまほろシリーズか、「風が強く吹いている」で、本屋大賞一位、つうのが腹に落ちるなあ。



しかし松田龍平さん主役多いですね、しをんさんの映像化作品。今作もきっとどんばまりだったことでしょう。作家冥利に付きますなぁ。うらやまてぃ。(←何様ですみません…)