宵山万華鏡 (集英社文庫)/森見 登美彦

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皆さん京都は好きですか?

わたくし、「まったり」「ほっこり」「京風おばんざい」の3つが、嫌いな言葉のかなり上位に入ります。いわゆるヘイト・ワードですね。

これら、私の中ではネガティブ・ワードに分類されてたんですが、世間的にはポジティブ・ワードだったらしいですね。で、私が京都を好きか嫌いかというと・・・


森見登美彦さんの小説は、京都の路地などが舞台とされることが多いとうっすら聞いて、何となく敬遠してたんですけど、最近プライベートでよく京都に行く。
主に烏丸駅近辺など。

おばんざいはNO!!だが、和風のチマチマした小物、特に布やら紙やらに興味が沸いて沸いて仕方ないからヤムを得ない。京都のチマチマした小物は本当によく出来ている。いわゆる香の物もとても良い香りだ。東京にもあるっちゃーあるけど、京都烏丸~河原町近辺にはホントにたくさんあるのだその手の店が。なので京都に行かざるを得ない。


で、すこーし京都に馴染んできたので読んでみました「宵山万華鏡」。三浦しをん祭りを中断して。

宵山とは、祇園祭の本祭、山鉾巡業の前日に行われる、四条通りを歩行者天国にして行われる一大お祭りだそうだ。


感想はですねえ。
すごい!!「宵山万華鏡」の世界には、「まったり」も「ほっこり」も「京風おばんざい」も出てこなかった。当たり前か。

代わりに、「艶やか」「幻惑的」「あの世とこの世の境界」「赤い着物をきたおかっぱ頭の少女達」などなど、私の好きな、きりっとメリハリのついた豊かな和のイメージの世界が、細部まできっちり描きこまれて、小説の世界を構成している。


「時間が止まったようでいて、いつまでも繰り返す連続運動のような生を体現している京都という町」を、森見さんは実に上手く短編小説にしておりますなあ。

6話で構成されていて、いずれも宵山のお祭りが舞台なんですけれども、1話目では姉妹の妹が語り手、最終話6話目では姉が語り手・・・というように、3パターンのお話のA面・B面的に6話が構成されています。
このA・B両面を読み合わせると、ふむふむそーいうことだったのか・・・と分かると同時に、他のパターンのA面を読むと、さっきのパターンのお話が少しズレて感じられて、妖しの世界に一歩足を踏み入れたかのような、不思議な浮遊感が漂うお話です。でもしっかり起承転結がついているので、雰囲気小説とも違う。でも論理の世界ではまとめきれない・・・みたいな。

独特の濃い味があって、でも洗練されていて、とても楽しめました「宵山万華鏡」。また京都行きたいです。

あ、京都行った時のおススメご飯は、「サロン・ド・俵屋カフェ」のBLTサンドイッチ(いつもある訳ではないらしい)と、俵屋カフェの斜め前くらいにあるカフェバーみたいなところのクスクスカレーライスです。味にメリハリがあって美味しい。NO!NO!おばんざい。