仏果を得ず (双葉文庫)/三浦 しをん

¥648
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三浦しをんさんの、文楽の世界で義太夫を演じる大夫を主人公にした、青春小説です。
「芸を極める」=世俗にまみれて人間臭く生きた果てに掴めるもの、つまり、悟りを開いて仏果を得るような生き様では、芸が磨かれない。
…という境地に至るまで、文楽のお話をベースに、主人公 健が、相方の三味線弾きの兄さんとぶつかったり、変り者の師匠とぶつかったり、子持ちの女性とぶつかって恋愛したり、世俗にまみれつつ修業に生かして行く様が描かれて行きます。
文楽って観たことないけど、人形劇と語りと三味線とが三位一体となり、日本人の琴線に触れる世話物や忠義もの、心中ものなど、いわゆる舞台演劇のエッセンスが詰まった日本の芸事の祖なんでしょうなあ。
そんな古典芸能の鍛錬の現場が、三浦さんの持ち味である粘っこい描写力で書き込まれていて、読み応えがありました。
文楽観てみたいな~、古典を読んでみたいな~と思わせる、確かな筆力です。
ただ、主人公とシングルマザーとの恋愛話の下りは、案外アッサリしていて、世俗にまみれた世話物の迫力までは、残念ながら、ありませんでした。
いっそお相手を、旦那の存命している主婦にしちゃった方が、迫力あったんじゃないかなあ。
三浦さんの描写力は粘っこいけど、案外、人間関係を描くさまはアッサリしてますよね。そこが現代的で、この作家さんの特徴だと思うので、新しい不倫世話物になったのではないかと。
主人公(だけ)が地獄を見ないまま、淡々と精進していくように見えて、そこだけ物足りなかったです。
でも、文楽の世界に生きる職業ものとしては、期待を裏切らない面白さでした。
主人公が、自分の語る義太夫の世界のテーマを言葉で掴んでいくさまは、理知的で圧巻でした。
三浦さんの、謙虚でいて賢いところが良く分かる小説で、さすがベストセラー連発する作家さんはどこか違うなぁと、感心した次第です。

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三浦しをんさんの、文楽の世界で義太夫を演じる大夫を主人公にした、青春小説です。
「芸を極める」=世俗にまみれて人間臭く生きた果てに掴めるもの、つまり、悟りを開いて仏果を得るような生き様では、芸が磨かれない。
…という境地に至るまで、文楽のお話をベースに、主人公 健が、相方の三味線弾きの兄さんとぶつかったり、変り者の師匠とぶつかったり、子持ちの女性とぶつかって恋愛したり、世俗にまみれつつ修業に生かして行く様が描かれて行きます。
文楽って観たことないけど、人形劇と語りと三味線とが三位一体となり、日本人の琴線に触れる世話物や忠義もの、心中ものなど、いわゆる舞台演劇のエッセンスが詰まった日本の芸事の祖なんでしょうなあ。
そんな古典芸能の鍛錬の現場が、三浦さんの持ち味である粘っこい描写力で書き込まれていて、読み応えがありました。
文楽観てみたいな~、古典を読んでみたいな~と思わせる、確かな筆力です。
ただ、主人公とシングルマザーとの恋愛話の下りは、案外アッサリしていて、世俗にまみれた世話物の迫力までは、残念ながら、ありませんでした。
いっそお相手を、旦那の存命している主婦にしちゃった方が、迫力あったんじゃないかなあ。
三浦さんの描写力は粘っこいけど、案外、人間関係を描くさまはアッサリしてますよね。そこが現代的で、この作家さんの特徴だと思うので、新しい不倫世話物になったのではないかと。
主人公(だけ)が地獄を見ないまま、淡々と精進していくように見えて、そこだけ物足りなかったです。
でも、文楽の世界に生きる職業ものとしては、期待を裏切らない面白さでした。
主人公が、自分の語る義太夫の世界のテーマを言葉で掴んでいくさまは、理知的で圧巻でした。
三浦さんの、謙虚でいて賢いところが良く分かる小説で、さすがベストセラー連発する作家さんはどこか違うなぁと、感心した次第です。
